「経営者としての資質は不透明だが、ともあれ、我が子に会社を継がせたい」そんな承継の王道が崩れつつある。親族以外の有能な人材を社長に据える中堅・中小企業が増えているのだ。事例と成功の要点をリポートする。

(写真:PIXTA)
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<特集全体の目次>
・事業承継ドクター協会 佐奈徹也氏 承継には「年齢表」を使う
・株式の承継に足かけ7年、社員への事業承継を成功させるには
・取引先の社員が赤字会社を承継、社員20人から500人へ事業を拡大
・事業承継の失敗談 私は有能な後継者候補の豹変に気づけなかった
・古田土経営 飯島社長「先代を立てることで事業承継はうまくいく」


 玩具・雑貨の製造卸などを手がけるエイコー(東京・墨田)。社員46人で35億円を売り上げる。同社では、2代目を創業者の右腕が務め、3代目は社員上がりの西谷元晴社長が務めている。いずれも創業者の親族外だ。親族外事業承継の1つ、社員への承継で会社を発展させるポイントを聞いた。

外食チェーンで提供するお子様ランチ用の玩具も作っている
外食チェーンで提供するお子様ランチ用の玩具も作っている

2代目も、3代目の西谷社長も創業家出身ではありません。

西谷:当社は1971年に辻谷博男が創業し、玩具・雑貨の製造卸などを手がけてきました。これまで、UFOキャッチャーの景品や、2020年は「鬼滅の刃」のキャラクター商品など、その時々の時代の流れを捉えて、着実に業績を伸ばしてきました。

 2代目は、創業の頃から辻谷の右腕的存在で、その後、社長、会長を務めた平岡秀比古。私は彼からバトンを受け取りました。辻谷には娘さんがいますが、嫁ぎ先も事業を営んでおり、親族に継がせるという選択はなかったと聞いています。

次代は20歳年下

西谷社長の事業承継の経緯を教えてください。

西谷:31年前に24歳でエイコーに入社し、営業職を経て企画の仕事をしてきました。9年前、社長に就任。実はその4、5年前から「次はおまえだ」と平岡から言われていました。平岡も承知していたことですが、辻谷は、自分と歳の近い2代目は〝つなぎ〟で、20歳ほど年の離れた若手を後継者に据えたいと考えていたようです。

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