日経トップリーダー・プラチナ会員が一堂に集う春のイベント、「プラチナフォーラム2021」を4月13日にウェブ配信で実施した。浄土真宗本願寺派・築地本願寺(東京・中央)宗務長の安永雄彦氏が、激動の時代を心豊かに生きるためのヒントを語った。

<span class="fontBold">やすなが・ゆうひこ</span><br>1954年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。英ケンブリッジ大学大学院経営学専攻博士課程修了。三和銀行(現三菱UFJ銀行)に21年間勤務後、米人材紹介会社ラッセル・レイノルズを経て独立。2006年経営コンサルティングの島本パートナーズ社長。15年7月築地本願寺代表役員・宗務長に就任。法務に従事するとともに寺院運営管理や伝導布教活動を推進する
やすなが・ゆうひこ
1954年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。英ケンブリッジ大学大学院経営学専攻博士課程修了。三和銀行(現三菱UFJ銀行)に21年間勤務後、米人材紹介会社ラッセル・レイノルズを経て独立。2006年経営コンサルティングの島本パートナーズ社長。15年7月築地本願寺代表役員・宗務長に就任。法務に従事するとともに寺院運営管理や伝導布教活動を推進する

 私は2015年から築地本願寺の代表役員、宗務長を務めております。仏門に入る前は21年間、銀行員として働いていました。銀行退職後、何となく後ろめたいような、満たされない思いを抱え、仏教を勉強しようと思い至り、中央仏教学院(京都市)に入学。50歳で得度し、僧侶となりました。

お寺は長期衰退産業

 お寺を取り巻く環境は今、大きく変化しています。現在の日本は、年間130万~140万人が亡くなる多死社会です。お寺の収入面の一部を支えているのは葬儀ですので、儲かっているように思われるかもしれませんが、決してお寺の経営は安泰とは言えません。お寺は長期衰退産業だと私は考えています。

 例えば、時代とともに葬儀の形式が変わっています。家族だけで済ます「家族葬」や、通夜をせず葬儀だけを実施する「1日葬」、通夜も葬儀もせず、ご遺体をそのまま荼毘に付す「直葬」、さらには直葬したお骨を斎場に任せて持ち帰らない「ゼロ葬」と言われる新しいスタイルも増えています。

 葬儀の簡略化だけでなく、人口減少や檀家制度の崩壊、宗教団体に対する世間の厳しい目など、お寺はさまざまな環境の変化に直面しており、これらの変化に対応できなければ、お寺は滅びてしまうと私は考えています。

経営者自ら変革起こす

 宗務長に就任後、私はいろいろな改革を進めてきました。

 お寺の境内にうっそうと生えていた大木はすべて伐採。境内を改装してインフォメーションセンターを設置しました。

 東京・銀座に新たに開設したサテライトテンプル「GINZAサロン」では、仏教の法話だけでなくヨガ教室、マインドフルネスといったセミナーやカウンセリングを開催しています。さらに、人々の生活に寄り添うお寺を目指して、終活の支援や結婚相談事業など、多様な取り組みをしています。

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