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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。リーマン・ショックを超える経済危機をどう乗り越えるべきか、そして「アフターコロナ」で素早く回復するために、何を今準備しておくべきか。著名な経営者それぞれの「解」を聞いた。

 今回はダイヤ精機の諏訪貴子社長が、リーマン・ショックを経験した中小企業経営者の立場からコロナショックに対する見方を語る。


(写真/尾苗 清、宮田昌彦、鈴木愛子、森本勝義)
・アイリスオーヤマ 大山健太郎会長
・堀場製作所 堀場厚会長 兼グループCEO
・ダイヤ精機 諏訪貴子社長
・六花亭 小田豊亭主
・サイボウズ 青野慶久社長
・広島市信用組合 山本明弘理事長
・古田土会計 古田圡 満代表 MODコンサルティング 金子剛史社長
・解説:「コロナ後」の経営を描く3つの視点


不安を列記し、考える余裕をつくる ダイヤ精機 諏訪 貴子 社長

 ダイヤ精機は、4月上旬までの売上高が前年同期を下回ってはいるものの、すぐ問題になるような減少幅ではありません。自動車の開発に使う測定器(ゲージ)を主力にしていることがプラスに働いているのでしょう。量産部品を製造しているメーカーは、自動車大手の工場停止の影響を大きく受けているはずです。

 現時点から1つも新規受注が獲得できないという最も悲観的なケースで試算をしても、7月まで資金繰りの心配はありません。ここまで厳しく考えておけば、事態がどう推移してもこの試算より必ずプラスになります。

 中には「9月までは従来通り発注する」と言ってくれる取引先もあります。ただ、全体として8月以降はどうなるか分かりません。取引先企業の方針次第ですね。

リーマンと同じ流れ

 この流れは、2008年9月に起きたリーマン・ショックと同じです。実は08年のうちはそこまで大きな影響がなかったんです。それが、09年1~3月の売り上げはほぼゼロ。上場企業がその年度の決算を少しでもいいものにしようと発注を絞った結果でした。