大阪の天王寺駅から車で10分ほどの位置にあるミシンメーカー、アックスヤマザキは、規模を縮めながらも堅実経営を続けてきた。新型コロナ下ではミシン特需の追い風を最大限に受けて、前期比で売上高2.5倍を記録。営業利益率は25%に達した。市場縮小下で堅実な財務体質を保ち、新規市場を掘り起こす。今後の縮小が確定している国内市場で戦う中小企業の手本の1つがここにある。

(写真/菅野勝男)
(写真/菅野勝男)

<特集全体の目次>
・営業利益率25%、中小ミシンメーカーの「拡大を追わない」経営
・無借金でも製品数削減・工場閉鎖 縮む市場で勝つ中小の戦略
・「子育てにちょうどいいミシン」がコロナ下で大ヒットした理由
・アックスヤマザキ社長「市場縮小は必ず起きる。継続性第一の経営を」


 身近にいる使ってほしい人の声を聞き、その声を反映した製品を作る。社長自らヒアリングを繰り返して利用シーンを見るから、方針がブレない。デザインや使い勝手の優れた製品は、競合不在の新規需要をつかむ。

マットブラックにこだわり、
コロナ禍の追い風で大ヒット
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「子育てにちょうどいいミシン」は2020年3月発売。マスク不足による自作マスク需要や、外出できない時間の増加に伴い想定外の売れ行きを見せた。子育て世帯狙い撃ちのネーミングもヒット要素の1つだ

 Hugが子供向けならば、20年3月発売の「子育てにちょうどいいミシン」は文字通り子育て世帯がターゲットだ。1年で5万台を売り、今も品薄状態が続く。

 山﨑社長のブレない開発方針がヒットの確率を高めている。主な開発方針は、「未経験者、初心者向け」「具体的な顧客像を定める」「直接のヒアリングを繰り返す」の3つだ。 「子育てにちょうどいいミシン」の開発経緯を紹介しよう。

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