営業利益率は25%超

 それが、20年初頭からのコロナ禍で一変した。マスク不足や巣ごもり需要などでミシンの需要が急増し、各社とも好調な売れ行きで、20年は国内市場が118万台まで回復した。その中で、ひときわ大きな果実を手にしたのがアックスヤマザキだ。20年12月期は前期比で売上高が2.5倍の10億円、営業利益は12.5倍の2億5000万円となった。営業利益率は25%に達する。

アックスヤマザキの業績推移
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 好業績の背景には、15年の社長就任後から続けてきた粗利益率改善を重視した堅実な経営がある。単年の売り上げや利益拡大を追わず、粗利益率の低いOEM(相手先ブランドによる生産)製品の整理や、台湾にあった自社専属工場の閉鎖などを優先課題として地道に進めてきた。

 というのも、15年の社長就任時は最大で1億円の赤字を出す可能性があった。最終的には子供向けミシンのヒットで1300万円の赤字で着地したが、粗利益率の低さは深刻で、15年はわずか22%だった。山﨑社長は「OEMと自社の比率逆転」「生産のファブレス化」など次々と手を打ち、粗利益率は19年に36.4%、20年に49%と回復させた。

 攻め手も打っている。それが、山﨑社長自ら進める現場主義の製品開発だ。現場の声を自ら拾って製品に反映し、ヒットの確率を高めてきた。山﨑社長の経営手法に斬新なものはない。一般的に有効とされる手法を地道に推し進めただけとも言える。次回から粗利益率改善の経緯を紹介する。

(この記事は、「日経トップリーダー」2021年5月号の記事を基に構成しました)

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