「古田土式・経営計画書」を武器に、多くの中小企業を顧客に抱える古田土会計の代表、古田圡満氏が、中小企業の社長が知っておくべき財務・経営の考え方を分かりやすく指南する連載。今回は、経営計画の基礎となる利益目標を定めるのに必要な変動損益計算書(変動P/L)の考え方を紹介する。

注 : ‌一般的なP/Lでは、粗利益額から販売費・一般管理費を引いたものが「営業利益」。営業利益から営業外収益・営業外費用を足し引きしたものが「経常利益」となる。(イラスト/高田真弓)
注 : ‌一般的なP/Lでは、粗利益額から販売費・一般管理費を引いたものが「営業利益」。営業利益から営業外収益・営業外費用を足し引きしたものが「経常利益」となる。(イラスト/高田真弓)

 今年は、厳しい嵐の中での年度初めという会社が多いかもしれません。こんな時ほど慌てず、経営計画を基に次の手を冷静に考えましょう。

 経営計画というと、先に売り上げ目標を決めてから利益目標を決める人が多いようです。しかし、これは逆です。先に決めるべきは利益。つまり、粗利益と経常利益の目標です。この利益の目標を実現するための販売計画を立て、実践していくべきなのです。

 今号から数回にわたり、この利益計画の立て方と実践方法について解説します。今回は、その前提となる経営ツール「変動損益計算書」(変動P/L)を紹介します。

 変動P/Lとは、一言で言えば一般的なP/Lを組み替えて作る経営分析用ツールです。経営指標として極めて重要な、変動費と固定費、粗利益、経常利益の関係が一目で分かります。

 一方、一般的なP/Lは、税務申告や金融機関のために作る財務諸表であり、経営判断に使うには少し分かりづらい形になっています。なお、変動費は売り上げに連動して増減する費用、固定費は売り上げがゼロでも発生する費用のことをいいます。