日本に何を期待するのか、実際に消費してもらうにはどうすればいいのか、需要と供給はどんな状態なのかを一つ一つ客観的に分析して実行した結果が、今の観光戦略の実績です。

 多くの経営者は、なぜこの商品が売れるのか売れないのか、どんなプロセスで利益が上がっているのか上がっていないのか、また、人口減少時代においてはどう考えていくべきかといった分析をしていません。

 それどころか、単価は上げられない、国内では売れないなどと勝手に決めてしまう。固定概念が強過ぎます。

 当社の日本産漆の事例を見てください。中国産漆が日本の8分の1から7分の1程度で安く手に入る。かつては安ければいいという勝手な固定概念で、施主さんに日本産漆について聞くこともなかった。いかにも日本的でした。顧客のニーズを無視しているんです。

 そうではなく、これだけ金額は高くなりますが、(神社の)神様の前で中国産を使いますか、どちらを選びますかと聞くと皆、日本産を選びます。

 30年前、私がアナリストだった頃は、調査分析に多大な労力が必要でした。世界の生産性ランキングを知るにも 図書館に出向いてデータを収集し、自分で計算しなければならなかった。今ではネットで世界の生産性が瞬時に分かります。

 自分の経験と勘が正しいかを調査分析できる時代なのです。

「調査分析をしながらトライ&エラーを続ける」と山本氏(写真:菊池一郎)
「調査分析をしながらトライ&エラーを続ける」と山本氏(写真:菊池一郎)

山本:地域の人口データや地価の変化、最低賃金をきちんと調べることも、今後どんな経営をしていくかを判断する基準になります。私は事あるごとに大阪や和歌山の最低賃金を確認しています。

 調査分析した上で、トライ&エラーの手数を増やす。成功したものをまたやってみる。そうした繰り返しが成長につながるのだと思います。

(この記事は、「日経トップリーダー」2020年4月号の記事を基に構成しました)

緊急出版!!
電子書籍『コロナ危機下のBCP~あなたの会社は事業継続できますか?』

 パンデミックを乗り越えるには、BCP(事業継続計画)が必須です。今すぐ、事業継続のための手を尽くすことで、コロナ危機、そして将来起こりうる危機に備えましょう。BCPは大企業のためのものではありません。本書は中堅中小企業を対象にしました。

 「これだけは押さえなければ」というBCPのポイントを豊富な事例で紹介(※お読みいただいた記事も、この電子書籍に収録しています)。さらに、コロナ危機のように、深刻な客数減に直面したサービス業がどうすれば利益を出せるか。需要変動に強いマネジメントの手法を細かく提示しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

ウェビナー開催 経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機

 日本企業にとって、脱炭素政策への対応が重要な経営課題になっています。上場企業であれば、グローバル投資家からの支持を得るために脱炭素に資するビジネスモデルの構築が求められています。サプライチェーン全体で仕組みを整える必要があり、企業規模の大小にかかわらず対応が急務です。
 日経ビジネスLIVEは9月8日(木)19:00~20:00に「経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機」と題してウェビナーを配信する予定です。登壇するのは、経済産業省でエネルギー政策を長く担当した経験を持つ、製造産業局長の山下隆一氏。業界横断的な取り組みが必須のGXに向け、どんなエコシステムを目指すべきかについて解説します。ウェビナー後半では視聴者の皆様からの質問にお答えします。ぜひ議論にご参加ください。

■開催日:2022年9月8日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:経産省のGX戦略キーマンが直言 水素、アンモニア、原発…日本企業の勝機
■講師:山下隆一・経済産業省製造産業局長
■モデレーター:日経ビジネス編集委員・安藤毅
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料(事前登録制、先着順)。
>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。