2000年代後半に人口減が始まって十数年。高齢化も年を追って進み、日本経済は縮小の重しにあえぐ。40年時点で将来消滅する可能性のある市町村が全体の約半数に達するともいわれる。だが、つぶさに見れば「縮小」の中でも活性化する町や成長する企業も出ている。人口減経済を生き抜く道筋を探るシリーズ企画の第1回。

三重県尾鷲市で自ら漁をして、東京で経営する居酒屋チェーンに魚介類の供給を始めた五月女圭一・ゲイト社長
30%を超える人口減の地域も出てくる
ブロック別の将来人口減少率
出所:国土交通省
注:2010年人口と2050年の予測人口を比較したもの

 今年3月2日、北海道の道東地区を拠点にする遠軽信用金庫が始めた試みが地元の人たちを驚かせた。23店舗のうち、本店を置く遠軽町と隣の佐呂間町にある3店の窓口営業を、それまでの午前9時から午後3時まで(窓口を閉める昼の1時間を含む)から、午前だけの3時間に短縮したのだ。

 道内では初めてで、全国でもほとんど例のない営業時間の短縮は、苦肉の策だった。「業務を効率化して店舗網を維持するため」(遠軽信金)というが、背景にあったのは、店舗を支える来店客数の減少。

 その3店がある遠軽町と佐呂間町の人口は1980年の計3万9094人が、2015年には同2万6235人へ32.9%減っている。遠軽町の高齢化率(65歳以上の人口比率)は18年で36%、佐呂間町は39.5%。全国平均よりそれぞれ8%、11%も高い。厳しい過疎と高齢化の中で来店客数が減り、職員数を調整することで何とか店舗を維持しようとしたのだろう。

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