団塊の世代が後期高齢者となる2025年が間近に迫っている。働きながら介護に関わる「ビジネスケアラー」が増えていくことは確実で、会社の事業運営にもさまざまな影響を及ぼすだろう。限られた人材を失わないために何ができるのか。独自の施策や働き方の変革で両立支援を進める会社にヒントを求めた。

「介護は突然来る。うちの会社が準備している介護のための制度を『そこまでしなくても』と言っていた社員が急に介護に直面して、制度のありがたみを社内に発信してくれるようになった」。ある経営者はこう語る。

人口のボリュームゾーンである団塊の世代が後期高齢者になる2025年が間近に迫り、要介護者の急増が社会にさまざまな変化をもたらすことが予測されている。特に企業にとっては、中核の働き手である社員が両親などの介護に直面し、最悪の場合は離職してしまう可能性が高まる。
働きながら介護に関わる「ビジネスケアラー」になる可能性は年齢が上がるとともに上昇する。仕事と介護の両立支援プログラム「LCAT」を提供するリクシスのユーザーデータによれば、ビジネスケアラーの発現率は40代後半から急増。40代男性では24人に1人だが50代男性では8人に1人と、年齢が上がるほど、介護に直面する人が増える。
女性がビジネスケアラーとなる可能性は男性よりも高く、同データでは40代女性で16人に1人、50代女性では5人に1人。社員の年齢層が高い企業、女性社員の比率が高い企業は、介護の問題に直面する可能性がより高いといえる。
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