人の悩みがどんどん深くなっていた30代半ば。会社の経営を揺るがす事件が起こりました。

 建材卸からスタートしたヤマチユナイテッドは事業の多角化を進めており、私は住宅施工を担うジョンソンホームズの代表を務めていました。ある裕福な家庭から、アメリカのビバリーヒルズに建てた家と、全く同じ家を札幌にも建ててほしいという依頼を受けました。予算は数億円。

 大口受注だ!と喜んで建設を進めたものの、そのクライアントは何かとクレームを付けて、なかなかお金を払ってくれません。額が額ですから、私もさすがに「これはまずいぞ」と焦り始めました。

 いよいよ従業員の給与も払えないという窮地に陥り、私は母体の会社の社長である父に懇願しました。

 「何とかお金を貸してください!」

 しかし、父は表情一つ変えず、「自分で解決しろ」と言い放ったのです。息子がこんなに困って頼んでいるのに、なんで助けてくれないんだ! 私は憤慨しました。

「会社を辞めてほしい」

山地 章夫[やまち・あきお]
山地 章夫[やまち・あきお]
これまでに累計120の事業を立ち上げ、現在は住宅関連、インテリア、介護、イベント、商社など50事業、売上高220億円のグループ経営を手がける「ヤマチユナイテッド」代表。1955年生まれ。家業の建材卸問屋を継ぎ、「連邦・多角化経営」で飛躍。2021年北海道新卒就職人気企業ランキング第10位。『新規事業と多角化経営』など著書多数(写真/吉田サトル)

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