売上高は約95億円、営業利益は約20億円──。そんな驚きの利益率をたたき出す通販会社が札幌にある。北の達人コーポレーションだ。高収益を支えるのは、独自の経営手法の数々。「売上高は可能な限り少なくする」「会社の寿命を毎月算出する」「商品開発は少産少死」など、同社が実践する異色の経営を紹介する。

(写真:皆木優子)
(写真:皆木優子)

北の達人の強さ
教科書には載っていない独自の計数管理術

 木下勝寿社長がリクルートを経て、北海道特産品販売サイトを運営する、後の北の達人コーポレーション(札幌市)を創業したのは2000年。

 その後の競争激化を受け、規格外の食品を扱う「北海道わけあり市場」を開設し、本格的な成長が始まったのは07年頃。健康食品などに商材を転換してからだ。現在は「独自の商品を持たないと差異化はできない」と自社での商品開発を基本とする。

 収益力の高さは既に紹介した通り。22年2月期(予想・連結)の売上高は約95億円、営業利益は約20億円で、売上高営業利益率は約21%だ。

 そのわりに一般的な知名度は低い。それも当然で、「商品を欲しいと思う人以外にはなるべく目を触れさせない」という逆張りの広告戦略を展開しているからだ。

 同社の経営は広告宣伝以外でも、独特の仕組みにあふれている。商品開発では「びっくりするほど良い商品」ができたとき以外は発売に踏み切らず、多くの経営者が指標とする売上高は気にしない。「5段階利益管理」なる独自指標で会社の数字を管理する。

 一方で、足元の経営が好調であるにもかかわらず、自前の計算式ではじき出す「無収入寿命」なる自社の寿命を社内に公表している。

「経営の教科書」にはおよそ載っていないことを実践しながら、高収益を維持し続ける。そんな不思議な経営はいかにして生まれたのか。そこには先の見えない時代を切り開くためのヒントがある。

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