突然ですが、「新消費」という言葉をご存じでしょうか。新消費(中国での読み方はシン・シャオフェイ)とは、近年、中国のメディアで頻繁に取り上げられている造語で、ITの活用による小売り・サービス領域で次々と生まれる新しいブランドやビジネスモデルのことを指します。

 中国証券日報の記事によると、2020年における「新消費」分野のIPO(新規株式公開)・融資規模は4000億人民元(約7兆2600億円、前年比50%増)に達したそうです。

「Z世代」と「国潮」

 この新消費の急成長を支えるのは、「Z世代」(おおよそ1996年〜2012年生まれの世代)です。彼らはデザイン・コンセプトへの共感が強く、ブランドの知名度よりもインターネットでの口コミを信頼する傾向が強く見られます。

 また、ここ数年、中国において漢服や伝統要素を取り入れた「国風(グオフォン)」や、国風トレンドの略「国潮(グオチャオ)」といったキーワードが、若者を中心に支持が高まっています。

 実際、国潮を意識した創意工夫と巧妙なマーケティング手法によって絶大な人気を博した新興ブランドが数多く生まれています。

 例えば、13年に創業したアレンジティー専門店を展開する茶顔悦色(チャイ・エン・ユエ・セー)は、SNS映えする伝統的な商品デザインのほか、店舗内装、古典詩文からインスピレーションされた意味深い商品名などで一躍人気に。

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