経営者は成長を続け、オリジナルな発想を生み続けることが必要だ。それに役立つ情報収集の秘訣を、ビジネスプランナーの坂戸健司氏が語る。

 新型コロナはいや応なしに社会に大きな変化をもたらした。ニューノーマル(新常態)時代の先行き不透明なビジネス環境下では、成功体験をベースにした前例踏襲主義では生き残れない。そんな中で競争力を持つのは「オリジナリティー」だろう。

 特に資本力で勝る大企業と戦う中小企業にとっては、それが生き残りの鍵になる。時代にいち早く対応した、オリジナルの経営、オリジナルのシステム、オリジナルの商品などを生み出していく必要があるのだ。

 重要なのは見聞きした「誰かのオリジナル」をマネしようとしないこと。真のオリジナリティーとは、自分で得た経験や知識、試行錯誤から生み出すものだからだ。

 オリジナリティーのある発想や思考は、情報収集の活動の中から得られる「思いもよらない気づき」がヒントになることが多い。

 その気づきの機会を意図的に増やしていくことが、これからの経営者にとって大切だと私は考えている。決して人任せにせず、自ら行動し、気づきを得る。そんなアクティブで創造性豊かな経営者を目指してほしい。

 本講座では、私が長年の企業サポート経験から得た、オリジナリティーを生み出すことを目的とした、有益な気づきを得る情報収集の秘訣を5つ紹介する。できるところから試してもらいたい。

1 異なる業界の話を聞く

 「話をするのはいつも同業者。悩みを打ち明けたり、今のままでよいのだと、納得し合ったりする」だけでは、有益な気づきは得られない。

 「無駄が多い」「古い」──。他の業界の話を聞くと、外から見た自分たちがよく分かる。全く別の視点が加わることで、当たり前が当たり前でなくなり、新たな発想が生まれてくる。別視点で現状を捉え、未来を読む力が鍛えられる。

 では、異なる業界の話は誰から聞けばいいか。よくある異業種交流会はあまりお勧めしない。うわべだけの挨拶で終わることが多いからだ。手軽なのは別の業界に進んでいる同級生を使う方法だ。会えたら、トレンド話より、業界の仕組みや慣習、業務プロセスなど、基本的なことを体系立てて話してもらうようにする。そのほうが、理解が深まり、話を聞いた後での気づきも多くなるだろう。

 例えば、ラジオ業界の人と話ができたとしたら、番組は何を目的に、どんな人間が携わり、どうやってつくられていくのかを聞いてみる。その業界ならではのビジネスの視点が見えてきて、自分の業界と比較ができる。

 ちなみに私は法事のときでも、身内から業界話を聞いたりする。話を聞くいいチャンスだからだ。今はリアルの展示会にはなかなか参加できないが、別業界の展示会に行って、ブースでプレゼンをしている経営者や責任者に話を聞くのもいい。その際、「今度、御社に伺って詳しく話を聞いてもいいですか?」と尋ねて、交流を深めるとさらによいだろう。

続きを読む 2/3 2 初めて会う人と話す

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