沼田昭二(ぬまた・しょうじ)
神戸物産創業者、町おこしエネルギー会長兼社長。1954年兵庫県生まれ、兵庫県立高砂高校卒業後、三越に入社。81年食品スーパー創業。フランチャイズ方式で「業務スーパー」を全国展開し、外食事業や全国に20を超える食品工場も運営。2012年社長職を息子の沼田博和氏に引き継いで退任。16年町おこしエネルギー(兵庫県加古川市)を創業し、地熱発電事業などに取り組む(写真:松田弘)

 「何もしなければ、自分の会社は小さいまま。だから常にトライし続ける」。私はこうした思いに突き動かされながら、経営者人生を送ってきています。20代前半で百貨店を辞めて独立した私が持っていた軍資金は10万円でしたが、当時も今もその気持ちが経営のエネルギーになっています。

 最初に始めた商売は寝具販売でした。地元の兵庫から上京し、野宿しながら日本橋の問屋を何軒も回りましたが、相手にしてくれるところはありませんでした。そこで訪ねたのが、繊維産業が盛んだった愛知県の蒲郡(がまごおり)。取引先としての信用は私になかったものの、メーカーに頼み込んで布団カバー4ケースを兵庫に送ってもらい、中古の軽トラックに積んで団地で売り歩く。そこから始まりました。

 布団カバーを売り切ると、得たお金を蒲郡に送って商品を再び届けてもらう。そんな調子で少しずつ信用してもらえるようになったと思ったら、まさかのオイルショックです。日本を襲った景気後退の影響を受け、次に食品の行商に取り組みました。市場に行って新鮮な野菜を仕入れては、あちこちの団地で売る日が続きました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1382文字 / 全文1862文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。