(写真/PIXTA)
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 日経トップリーダーでは毎年、倒産を経験した経営者などから、誤算体験を直接聞ける「誤算に学ぶ経営者の本音セミナー」を開催している。「いつ、何をしていれば失敗を回避できたのか」。当事者自らが赤裸々に語る内情は、通常であれば外には出ない話ばかり。

 「自分ならどうしたか」。そう考えながら話を聞くと、多くの気づきや教訓が得られる。経営のヒントにダイレクトにつながるのだ。

 今回の特別企画では、こうしたセミナーの趣旨に賛同し、昨年ご協力いただいた2社、マザウェイズ・ジャパン(大阪市)と日本ビニル工業(埼玉県久喜市)の元社長の独白、倒産に至る経緯をダイジェストでお届けする。

 同セミナーは基本的に「他言無用の会」として開催しているため、記事は当人の了承を得た上で公にできる部分を編集してまとめている。その点、ご理解いただきたい。

 それでは1人目、マザウェイズ・ジャパン元社長、根来(ねごろ)豊氏から。

 マザウェイズ・ジャパンは、ベビー・子供服のSPA(製造小売り)で成長。手ごろな価格帯の商品で子供服市場を攻め、強気の拡大路線を続けてきた。取引先も「少子化時代でも成長を続ける優秀な会社」として認識し、2019年1月期の売上高は81億円に上り、店舗数は98店、従業員は854人に達するなど、経営は順調に見えた。

 だが、実情は違った。大量の在庫をさばくためにセールが常態化し、収益を圧迫。純利益率が1%にも満たない薄利経営に陥っていた。結果、19年7月に倒産。負債総額は59億6000万円。関連会社の根来(大阪市)とネイバーズ(同)も連鎖して倒産し、3社の負債総額は約77億円に上った。

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