特集「『ガラス張り経営』の成功と失敗」で、公私混同の排除が成功の大前提だと分かった。私利私欲の大きさは報酬額の影響も受けやすい。中堅・中小企業の経営者やその周辺に取材すると、「報酬が一定の水準を超えると傲慢になっていく」という声を聞くことがある。「傲慢社長」が抱える経営リスクを検証。

(写真/PIXTA)
<特集全体の目次>
●怪文書が飛ぶ事態にまで深刻化 傲慢社長2人のリアルな告白
●開運商法に夢中になった傲慢社長の末路

●経営者が傲慢になる原因、“内なる甘え”に打ち勝つには?(3月22日公開)


 高額の報酬を手にするようになった経営者は、我欲の肥大に気をつけたい。変化に気づくのは、付き合いが長く、客観的な立場の税理士であることが多い。本記事では、傲慢な経営者が抱える経営リスクを考える。

 経営者が傲慢になるとすると、いくらくらいの年間報酬を受け取るようになってからが多いのか。

 「中堅企業の場合は3000万円台半ば、中小企業なら2000万円。税理士として経営者を20年近く間近で見てきた私はそう考えている」

 傲慢になる分岐点は価値観や自由に使える会社の経費によっても左右されるが、マネーコンシェルジュ税理士法人(大阪市)の代表を務める今村仁税理士は大まかな目安を挙げる。

 そんな今村税理士が顧問として中堅・中小企業の経営者とやり取りして痛感しているのは「傲慢になるのは特殊なケースではなく、誰でもなり得る」という点だ。

 社長あるいは役員という時点で、既に周囲からの視線には多少なりとも羨望が込められている。それに加えて、会社の業績が伸び、報酬が増えて経営者の羽振りが良くなってくると周囲がおだて始め、行く先々でこれまでは出合うことがなかったワンランク上のものや話を紹介されるようになる。謙虚さに欠ける経営者なら、たちどころに勘違いして傲慢になる。

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