日経トップリーダーは東京商工リサーチとの共同調査による全国中小製造業利益率ランキングを作成(企業の抽出条件はこちらを参照)。直近5期を平均した営業利益率で上位の企業を取材し、高い利益率を維持する知恵を探った。ここでは25位のマルマエと26位の梅乃宿酒造を取り上げる。

ランキング25
「儲かる製品にシフト」 マルマエ
1品ごとの原価を徹底追求

前田社長は1966年生まれ。88年、父が設立したマルマヱ工業(現・マルマエ)に入社し、取締役、専務を経て2003年に社長就任。オートバイの部品製造から金属加工に参入し、現在は半導体製造装置の部品が主力(写真:小森園 豪)

 鹿児島県出水市のマルマエは、半導体製造装置の金属部品が主力。2019年8月期の売上高は40億1945万円、直近5期の平均営業利益率は21.5%ある。

 前田俊一社長は父が創業した鉄工所で働きながら、1992年にレース用のオートバイ部品の加工を手がける会社を設立した。

 この会社と父の鉄工所が合併したのが現在のマルマエ。火力発電所向けタービンの羽根などを経て、半導体製造装置部品へと、付加価値の高い部品に事業の柱を切り替えながら成長してきた。

 いずれの部品や試作品も、1品ものの特注品だ。半導体製造装置向け部品は直径数十㎝の金属容器や電極などで、100分の1㎜レベルの加工が必要という。

 2018年には東証一部上場にこぎ着けた。成長に最も貢献したのが、原価管理を徹底し、利益率の高い部品を見極める力だ。

儲かる部品を把握する

利益率の高い製品にシフトしてきた

 1品ものの部品は、原価を1つずつ細かく管理している。これが儲かる製品に主力を着実にシフトできる大きな理由だ。

 十数年前から整備してきた社内の基幹システムを使って部品1つずつの材料費、加工の手間などを把握し、粗利を割り出してどの製品が儲かるか、数字で分かるようにしている。担当者ごとに原価を計算することもでき、誰が粗利に貢献しているかまで分析する。

 粗利額を見て、利益率の低い部品があれば原因を追究する。生産方法や設備を見直し、それでも効果が出なければ、利益率の高い部品へのシフトを進めていく。

 液晶製造装置の部品も手がけているが、パネルの大型化で、製造装置の部品も数m単位の大きなものが必要になり、製造設備の投資が増える傾向にある。現在軸足を置いている半導体製造装置向け部品は、サイズが小さいので設備投資も少なくて済む。

続きを読む 2/4 太陽電池で失敗

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