京セラ創業者の稲盛和夫氏が経営の第一線を歩き続ける中で生み出し、自ら「経営の要諦」と位置づけてきた『経営12カ条』。経営者はこの経営12カ条といかに向き合い、自社の経営にどのように生かしていくのか。千葉県などでビューティーサロンを展開するオオクシの大串哲史社長が語ったセミナーを再録する。

(構成:尾越まり恵、アーカイブ動画は最終ページにあります)

 まずお話を始める前に、2022年8月に亡くなられた稲盛和夫さんのご冥福を心からお祈りしたいと思います。

 私は27歳で盛和塾に入り、稲盛塾長の薫陶を受け始めました。27年前になります。今日は少しでも稲盛さんに恩返しができればと思い、お話しさせていただきます。(敬称は「稲盛さん」で統一)

 入塾した当時、会社の経営は非常に苦しい状況にありました。経営コンサルタントからは「半年持たない」と言われるほどでした。盛和塾で勉強させていただく中で、「経営12カ条」と出合いました。

 当時、稲盛さんは「経営12カ条に向き合ったら、京セラのような会社がつくれる」とおっしゃった。私はその言葉に大変救われて、「よし、一生懸命頑張ろう」と思ったのです。物事の結果は「誰が何をするか」で決まるわけですが、「何をするか」は稲盛さんが丁寧に教えてくださった。それなのに結果が出ないのは「誰が」に問題がある。つまり、自分がダメなのだと気付くことができました。

 素直な気持ちで経営12カ条に向き合って感じたのは、「これは心を高めるための修行要項だな」ということです。心の高さによって、見えるもの、気付くものは大きく異なります。心を高めることで、より高く遠くを見ることができる。それが企業経営を伸ばすことにつながります。そんな修行要項を、稲盛さんに与えていただいたのだと思っています。

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3/22ウェビナー開催、「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」

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