社員に情報を隠す会社と、社員に情報を出す会社。一昔前ならどちらも成立したが、今や「ガラス張り経営」は必須だ。ただし、導入したものの、途中で挫折する会社も実は多い。ガラス張り経営の導入後に起きる混乱を整理し、それを未然に防ぐ方法、対処する方法を事例で考える。

(写真/PIXTA)
<特集全体の目次>
・GMO 熊谷正寿氏「給与の公開直後は大混乱も、今の私にはストレスがない」
・未来志向の会社は情報を公開し、過去にこだわる会社は情報を隠す
・情報をオープンにしたら、役員の多額の交際費がばれる?
・他部門の数字に関心を持たない社員の意識をどう変える?
・経営数値を共有するのは無意味?
・中途社員との賃金格差を表沙汰にしたくない


ガラス張り経営は古くからの概念だが、なぜ今、注目されるのか。背景には、過去にすがっていては生き残れないほどの環境変化がある。組織が小さな頃に経営をガラス張りにしたことで、飛躍した企業は数多い。

ガラス張りの候補は3種類

 売上高7000億円の生活用品メーカー、アイリスオーヤマの大山健太郎会長は、著書『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み』の中でこう記している。

 「幹部が育たない、と多くの社長が嘆きますが、それは単に情報量の差によるものだということです。営業部門の幹部は営業の情報、生産部門の幹部は生産の情報に詳しいという偏りがあるため、個別最適で動きがちです。しかし、社内の全情報を与えれば、その幹部たちも全体最適で判断します。社長の目線が高いのは、社内の情報を独占しているからにすぎないのです。幹部を育てるには情報を共有し、社長と幹部が共にレベルアップしていくことが大事です」

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