多くの中小企業を顧客に抱える古田土会計の代表、古田圡満氏が、中小企業の社長が知っておくべき財務・経営の考え方を分かりやすく指南します。毎月の経営状況の把握に不可欠な「月次決算」。ポイントを押さえれば難しいものではありません。

 前回までは「月次決算」と、費用を変動費と固定費に二分した「変動損益計算書(変動P/L※)」の重要性について見てきました。どちらも、毎月の経営状況を把握して経営のかじ取りをする「管理会計」には不可欠の考え方です。

※変動P/L:変動損益計算書のこと。変動P/Lでは、費用を変動費と固定費に分けることで、売上高=変動費+固定費+経常利益と表す。粗利益額(粗利)=固定費+経常利益なので、売上高=変動費+粗利とも表せる。この計算の方法を「直接原価計算」と呼ぶ。変動P/Lは重要な経営指標がひと目で分かる「管理会計」に不可欠のツール

 しかし、初めてお会いした社長に「月次決算をして管理会計をしましょう」と勧めると、ほとんどの人が「無理」と首を振ります。「年に1度の決算でも大変なのに、月次決算なんてとんでもない」「毎月の変動費と固定費を正確に出せるはずがない」などと思っている人が多いのです。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1302文字 / 全文1821文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。