人材育成に唯一の正解はなく、手間がかかり、成果が見えにくい。従業員を育てることは大事と分かっていても後回しにしがちなのはこうした事情があるからだ。だからこそ、仕組みをつくり上げられれば競合優位性につながる。3社の異なる事例から、自社に合うものを見つけてまねをするところから始めてみてはどうだろうか。

(イラスト/PIXTA)
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<特集全体の目次>
多能工人材の育て方 失敗の連続から社員は学ぶ
・OJTでは成長に限界 社員160人のゼネコンが作った社内大学

・業務に無関係な資格でいい、多様なスキルの掛け算で唯一無二人材に(2月8日公開)

CASE.2三和建設(大阪市・建設)

社内大学で知見を共有

ある程度の事業規模になれば体系的な教育システムの整備が求められるだろう。大阪市の中堅ゼネコン・三和建設は2016年から若手社員がノウハウを体系的に学ぶ取り組みを開始。「誰もが活躍できる会社」を目指し、業績も向上させている。

 「開発工事が以前より増えてきています。今日は過去の失敗事例も『何回同じこと言うねん』というくらい繰り返しますので、勉強していただけたらと思います」

 三和建設の本社会議室で、ディスプレーの向こうにいる社員に向かって話しかけているのは大阪本店長の川口秀夫執行役員。2022年12月中旬、約40人の若手社員らを前に開発・外構工事のチェックポイントをテーマに講義を行っていた。

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