人材育成に唯一の正解はなく、手間がかかり、成果が見えにくい。従業員を育てることは大事と分かっていても後回しにしがちなのはこうした事情があるからだ。だからこそ、仕組みをつくり上げられれば競合優位性につながる。3社の異なる事例から、自社に合うものを見つけてまねをするところから始めてみてはどうだろうか。

(イラスト/PIXTA)
(イラスト/PIXTA)

<特集全体の目次>
・多能工人材の育て方 失敗の連続から社員は学ぶ

・OJTでは成長に限界 社員160人のゼネコンが作った社内大学(2月7日公開)
・業務に無関係な資格でいい、多様なスキルの掛け算で「唯一無二」人材に(2月8日公開)

 「費用が高くなる間はまだいい。問題は、費用を積んでも手に入らなくなるときだ。そうなったら、なにもできなくなる」

 資源・原料高が急速に進んだ2022年の春、ある経営者がこのような話をしてくれた。これは原材料に関する話だが、人材についても全く同じ話が当てはまる。ヒトとモノは、ある程度はカネによって獲得可能ではある。

 しかし、少子高齢化が進んで、採用活動はどんどん難しくなり費用がかさむ。加えて、獲得できる人材は以前より少なく、能力も心もとない。それが多くの中小企業が抱える現実だ。

 さらに、自身が若手だった頃のようにほったらかしにしていると離職する確率が高く、身体やメンタルを壊しがちだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4104文字 / 全文4708文字

【春割/2カ月無料】お申し込みで

人気コラム、特集記事…すべて読み放題

ウェビナー・音声コンテンツを視聴可能

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。