
1969年生まれ。慶應義塾大学卒業後、リクルート入社。人材開発部に配属され、採用に携わる。退職後、家業の赤字結婚式場の経営をV字回復させ、2000年ノバレーゼを設立(設立時の社名はワーカホリック)。ブライダル事業を展開し、東証一部上場企業へ成長させる。17年3月、ノバレーゼの経営から退き、持ち株はすべて売却。同年7月、ハイパードライブ設立(写真:栗原克己)
Q. 後継者として入社した赤字の結婚式場。遅刻、欠勤を繰り返し、職場で昼寝するような社員たちをどう変えたか?
A. 心を鬼にして「社員の総入れ替え」を断行する
その女性社員が「辞めたい」と言ってきたのは、父が経営する結婚式場に入社して1年ほどたった頃。1990年代半ばのことです。
びっくりしました。私が知る限り、離職率はほぼ0%でしたから。といっても、いい会社にはほど遠く、売上高4億5000万円ほどで、赤字が約5000万円。ぬるま湯体質で、どんなにサボっても評価は横並び。それが居心地のいい人には最高に快適で、誰も辞めなくなっていたのです。
「なぜ辞めるの?」と尋ねた私に、彼女は答えました。
「この会社には未来がない」
頭を後ろからハンマーで殴られたような衝撃。その後、恥ずかしさがこみ上げてきました──。
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