人口減少、デジタル化など、事業環境が大きく変わる中、新規事業を模索する中小企業経営者が増えている。頭を軟らかくするヒントをスタートアップの発想に学ぼう。今回登場するのは、クラウドへの録画が直接できる「クラウドカメラ」のサービスを手がけるセーフィー(東京・品川)の佐渡島隆平社長だ。

今月の起業家

セーフィー 社長
佐渡島 隆平
(さどしま・りゅうへい)氏

1979年兵庫県生まれ。甲南大学在学中の99年に学生向けサービスのDaigakunote.comを創業。2002年同大学卒業後、ソニーネットワークコミュニケーションズ入社。画像処理技術のモーションポートレートを経て、14年にセーフィーを創業

 セーフィーの「クラウドカメラ」を使ったサービスは、防犯用に加え、コロナ禍で増えた遠隔での現場監視などのニーズを取り込んで利用者数を伸ばしている。カメラは1台当たり1万9800円から、クラウドの利用料は月額1200円(7日分保存)、2000円(30日分保存)など。屋外でクラウドに接続できるカメラのレンタルもする。

セーフィーが開発した携帯回線接続、充電式のクラウドカメラ(左手の装置)をレンタルすれば、建設現場を録画できる(写真/セーフィー)
セーフィーが開発した携帯回線接続、充電式のクラウドカメラ(左手の装置)をレンタルすれば、建設現場を録画できる(写真/セーフィー)

 クラウドカメラを開発したきっかけは、創業前の佐渡島隆平社長が自宅に防犯カメラを取り付けようとして、その不便さに気づいたことだ。当時の防犯カメラは専用の録画機を接続するものが多く、設置が大変。しかも1セット数十万円と高価だった。その割に、録画をスマートフォンから見ることもできない。

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