中堅・中小企業経営者が今読むべき新刊書籍4冊を紹介する。今月はアパホテル専務、元谷拓著『アパ社長カレーの野望』のほか3冊を取り上げる。

万人受けしない覚悟がファンを生む

『アパ社長カレーの野望』
著者:元谷 拓
出版社:青春出版社
価格:1650円(税込み)

 ビジネスホテルチェーン大手のアパホテルと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、社長の元谷芙美子氏。あの派手な帽子をかぶった芙美子氏の顔がパッケージになった「アパ社長カレー」なる商品をご存じだろうか。

 有名ホテル出身の料理長と共に、ホテル直営のレストラン用に開発したものを一般向けに仕立て直して、2011年3月に発売。今では累計販売数700万食を超える。

 この商品を企画・プロデュースしたのは、芙美子氏の次男で専務の拓氏。本書ではオリジナルレトルトカレー誕生の経緯を紹介している。

 単なる開発物語ではない。快進撃を続けてきた企業の強さの秘密があちこちに散りばめられている。

 例えば、ユニークなネーミングとパッケージ。企画段階の商品名は「アパホテルの本格派ビーフカレー」。外箱に社長の顔は入れていなかった。

 しかし、「これじゃ面白くもなんともない。お客様も手に取らん」というアパグループ代表である父・外志雄氏の鶴の一声で、現在の商品名とパッケージに決まった。

 やり過ぎという声もあったものの、「あんなパッケージなのに、本格的な味でびっくりした」と意外性が受け、コンビニエンスストアや郵便局、家電量販店に販路が拡大。ビンゴ抽選会などの「下位の商品」としても人気が高いという。

 このほかにも、30個入り段ボール箱の外側に「99.3%の人が『おいしい』と回答」と印刷されているなど、普通のレトルトカレーとはひと味違う「アパ社長カレー」。

 同社の独創的な経営がいかにして生まれるのか。そのメカニズムが垣間見える1冊だ。

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