採用余力がある中小企業にとって、今は人材の質と量を高める絶好の機会だ。しかし、言語化できない選別眼や直感に頼る採用手法は運を天に任せるようなもの。本特集では試験方法や情報開示の内容など、再現性の高い採用戦略を紹介する。

(写真/PIXTA)

<特集全体の目次>
●採用面接慣れしている学生に出し抜かれないためには?
●「粘り強く相手を説得できる」人材を見抜く採用手法とは?
●お手製の難問で、高度な数学力を持つ人材を選抜する理由
●営業先は保育園。子供への共感力や想像力を見極める面接とは
●部門利益から懇親会の頻度まで面接前に開示、8年間内定辞退ゼロ
●1次面接から社長と1対1で90分、社風を伝えて採用のミスマッチ防ぐ
●ネッツトヨタ南国 横田英毅相談役「逆境に立ち向かう力は人だけが持つ」


高知市のカーディーラー、ネッツトヨタ南国は、その人づくりで全国に知られる。 創業者である横田英毅相談役は、人材が最大の経営資源と考える。 採用と社員教育の最前線に自ら立ち、執務時間の半分以上を投じてきた。
(2020年12月の日経トップリーダー プラチナ会員向けセミナーの内容をインタビュー形式に再構成しました)

よこた・ひでき
1943年生まれ。日本大学卒業後、米国留学を経て一族が経営する企業に就職。80年にトヨタビスタ高知(現ネッツトヨタ南国)を設立。2010年から相談役

ネッツトヨタ南国にとって、採用活動はどのような位置づけにあるのでしょうか。

横田:採用と教育は、経営にとって一番大切だと考えています。

 「一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすることである」──。これは、『7つの習慣』などの著者であるスティーブン・R・コヴィー氏の有名な言葉です。その言葉通り、私たちは手間を惜しまず、採用や教育をより良い形にできないか常に考えます。

 経営資源を分解すると、人、商品力、資金力、土地、歴史・伝統・信用などに分けられます。この中で、人だけが逆境に立ち向かう力を持ちます。商品や資金など他の資源は、人が使いこなしてこそ価値を発揮するものです。補助的な経営資源であり、人を助ける追い風のようなものです。

経営は「人」だから
採用を重視する
横田氏が考える経営資源の分類

 それにもかかわらず、私たちよりも採用に力を入れている会社、社員教育を重視している会社をお見かけすることは、なかなかありません。私は自分が仕事をする時間の半分くらいは採用や教育に使ってきました。

 採用や教育は投資効果も一番高い。失敗することがなく、投資をした分だけリターンがあります。採用と教育の両輪に力を入れていったら、確実にいい結果につながるとつくづく感じています。

続きを読む 2/3

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2397文字 / 全文3431文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「日経トップリーダー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。