採用余力がある中小企業にとって、今は人材の質と量を高める絶好の機会だ。しかし、言語化できない選別眼や直感に頼る採用手法は運を天に任せるようなもの。本特集では試験方法や情報開示の内容など、再現性の高い採用戦略を紹介する。

(写真/PIXTA)

<特集全体の目次>
●採用面接慣れしている学生に出し抜かれないためには?
●「粘り強く相手を説得できる人材」を見抜く採用手法とは?
●お手製の難問で、高度な数学力を持つ人材を選抜する理由
●営業先は保育園。子供への共感力や想像力を見極める面接とは
●部門利益から懇親会の頻度まで面接前に開示、8年間内定辞退ゼロ
●1次面接から社長と1対1で90分、社風を伝えて採用のミスマッチ防ぐ
●ネッツトヨタ南国 横田英毅相談役「逆境に立ち向かう力は人だけが持つ」


部門利益も懇親会の頻度も、面接前に社長自ら伝える
スチールテック(愛知県大府市)


(イラスト/PIXTA)

 この記事からは、採用巧者になるための2つの方針のもう1つである「自己開示型」、つまり「会社を細部まで見せて、求職者側に納得して選んでもらう」手法を徹底している会社を紹介する。

 1社目は、鋼材加工を手がけるスチールテックだ。製造業が盛んな愛知県にあるため理系の人材は取り合いだ。出口弘親(ひろちか)社長は現在、文系・理系を問わず、大学新卒に的を絞って採用している。

(1)社員と同等の業績開示

出口社長が就任したときには、若手はおらず従業員数は10人程度だった。そこから中途、高卒新人採用などの試行錯誤を経て、大学新卒と外国人技能実習生の両輪での人材戦略にたどり着いた(写真/堀 勝志古)

 スチールテックの採用活動の1歩目は会社説明会。コロナ禍でも社内スペースを使って3度実施した。出口社長の講演が1時間程度。その後、会社見学を約20分実施する。説明会は質疑応答を加えて全体で2時間程度だが、あらゆる情報を次々と学生に開示するので内容は濃い。面接を受ける意思表示もしていない学生を相手に、何をどこまで開示しているのか。

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