人口減少、デジタル化など、事業環境が大きく変わる中、新規事業を模索する中小企業経営者が増えている。頭を軟らかくするヒントをスタートアップの発想に学ぼう。今回登場するのは、請求書のペーパーレス化サービスを手がけるBEARTAIL(ベアテイル、東京・千代田)の黒崎賢一社長だ。

今月の起業家

BEARTAIL 社長
黒崎 賢一
(くろさき・けんいち)氏

1991年東京都生まれ。2010年に筑波大学入学。12年、大学3年でBEARTAILを起業する。13年に家計簿アプリ、16年に経費精算の領収書を電子化する「Dr.経費精算(現・RECEIPT POST)」、20年に「INVOICE POST」を開発

 BEARTAILは2020年10月、請求書のペーパーレス化サービス「INVOICE POST(インボイスポスト)」を始めた。

 請求書を電子化するニーズに気づいたのは、新型コロナウイルス感染が広がった20年3月のこと。既存サービスのユーザー企業にコロナ禍の困り事を聞いて回る中で、多く挙がったのが請求書の問題だった。「社員の出社が減り、請求書が社内に滞って支払い遅れが起きた」「郵送で届く請求書を処理するために経理の社員は出社しなくてはいけない」といった悩みだ。黒崎賢一社長は、5月からシステムの開発に着手した。

コロナ下で在宅勤務が広がったが、経理の担当者は紙の請求書を処理するために出社している企業が多い(写真はイメージ)(写真:写真AC)
コロナ下で在宅勤務が広がったが、経理の担当者は紙の請求書を処理するために出社している企業が多い(写真はイメージ)(写真:写真AC)

 インボイスポストの特徴は、ユーザー企業に代わって、ベアテイルが請求書を受け取ること。ユーザー企業の取引先には、請求書の送り先をベアテイルに切り替えてもらう。請求書を受け取ったら、1日以内にPDF化し、スタッフが記載内容のデータ入力まで済ませる。これにより、ユーザー企業は、請求書のPDFと入力内容をインターネット経由で見ることができる。紙の請求書はベアテイルが倉庫で10年間保存し、3営業日で倉庫から取り出せる。

請求書を企業に代わって電子化・保管
INVOICE POSTサービスの仕組み
<span class="fontSizeM">請求書を企業に代わって電子化・保管</span><br><span class="fontSizeXS">INVOICE POSTサービスの仕組み</span>
取引先が発行する請求書をベアテイルが受け取り、PDF化とデータ入力を行う。ネット経由でいつでも閲覧できる
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