中堅・中小企業経営者が今読むべき新刊書籍4冊を紹介する。今月は、大谷和利著『「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』のほか3冊を取り上げる。

ロボット掃除機を生み出せた理由

<span class="fontBold">『「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』</span><br>著者:大谷和利<br>出版社:小学館<br>価格:1760円(税込み)
『「ルンバ」を作った男 コリン・アングル「共創力」』
著者:大谷和利
出版社:小学館
価格:1760円(税込み)

 2002年に発売、今や世界累計販売数3000万台を突破したロボット掃除機「ルンバ」。この画期的製品の生みの親が、米アイロボット社の会長兼CEO、コリン・アングル氏だ。

 研究所向けロボットからスタートし、国防関連ビジネスなどを経て、ルンバを開発。持ち前の「共創力」を発揮して、発注元や社員の共感を得ながら、現在の成功に至るまでの試行錯誤を描いたのが本書だ。

 アングル氏は米マサチューセッツ工科大学で学び、ロボット研究者ら2人と共に1990年に会社を設立。高い技術を有していたものの、当時はどのようなロボットを作るべきかを見いだせずにいた。このため創業から6年半は、社員への給与の支払いだけで四苦八苦だったという。

 道が開けてきたのは、国防関連ビジネスを手がけ始めてから。地雷を探知、除去するロボット「アリエル」や、アフガニスタンで活躍した災害対応ロボット「パックボット」を開発。パックボットは、2011年の福島第一原子力発電所事故の際にも、現場探査用のロボットとして派遣された。

 その後、家庭用化成品メーカーや玩具メーカーと組み、さまざまな用途のロボットを次々に開発。パートナーの抱える課題をロボットで解消していくうちに技術やノウハウが蓄積され、世界中の家庭の悩みである「掃除の手間」を解決するロボットが誕生した。

 最先端技術があっても、それだけでビジネスは生まれない。これまでにない製品を作る上で、技術と同じくらい必要なのは、人々の悩みに耳を傾け、問題を乗り越える方法を共に創る力――。それを痛感できる1冊だ。

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稲盛和夫氏の書籍を続々刊行

■『経営12カ条 経営者として貫くべきこと

 実践のなかから生み出された経営の要諦である稲盛和夫氏の「経営12カ条」。その真髄をあますところなく語った書籍『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(稲盛和夫著、日経BP 日経新聞出版)がついに刊行。

 『稲盛和夫の実学』『アメーバ経営』に続く「稲盛経営3部作」、ここに完結。


■『経営者とは 稲盛和夫とその門下生たち

 稲盛和夫氏を師と仰ぐ経営者たちは、どのように稲盛氏の教えを学び、実践してきたのか。「経営者とはどんな人間であるべきか」という根源的な問いへの答えが、稲盛氏と、その門下生たちの言葉から見えてくる。

 稲盛氏の「究極のリーダーシップ論」を実例とともに解き明かした1冊が文庫『経営者とは 稲盛和夫とその門下生たち』(日経トップリーダー編、日経ビジネス人文庫)になって登場。