経営者を取材していると、しばしば強烈な信仰心に遭遇する。得度した京セラ創業者の稲盛和夫氏のように、仏教やキリスト教などの宗教に帰依する人もいるが、どちらかというと独自の信仰対象を持っていることが多い。

 私欲だけでは従業員をまとめ上げることはできない。もっといい会社をつくりたい、経営者としてもっと成長したいというストイックな側面を強めた経営者が、自らを省みる信仰対象を持つことは自然だ。本当の悩みは幹部にもなかなか吐露できないので、心の支えも必要だろう。

 時代の転換点を迎え、経営者には今後、難しい判断が求められる局面が続く。そんなときには、祈ってみてはどうだろう。決して冗談で言っているのではないことは、本特集で紹介する経営者たちの「信仰の現場」を見ればお分かりいただけるはずだ。


<特集全体の目次>
●松下幸之助を支えた信仰「宇宙根源の力」
●フォーバル大久保会長、太陽と月に毎日祈って30年
●毎朝、水風呂で『大断言』を唱える経営者
●ラッキーピエログループ・王会長「3つの神に信念を誓う」
 アクト・伊藤社長「通勤中に車内で詩を発話」
 アサヒ・ドリーム・クリエイト・橋本社長「毎月欠かさず、往復7時間の墓参り」
●「初辰まいり」で毎月、業績報告
●1日3回、元禄時代からの先祖の名を読み上げる
●築地本願寺の改革を先導した、安永宗務長の経営者観

今月の売上高、利益は○○円になりました。
来月はより頑張ります。
見ていてください

初辰まいりをする土井社長(写真/宮田昌彦)
コンサス 土井 靖士社長
1964年大阪府生まれ。88年に関西学院大学卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)ファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)に入社。94年に父親の経営するエフケーアイコンサス(現コンサス)に入社。2011年に社長就任

 「大阪市住之江区(以下会社住所)株式会社コンサス代表取締役社長の土井靖士です。2020年11月の売上高は7500万円で、若干の赤字という結果になりました。12月は必ず挽回するので見ていてください」

 ステンレスバルブの製造を手がけるコンサスの土井社長は、02年から住吉大社の「初辰(はったつ)まいり」を毎月欠かさず実施している。

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