『嫌われる勇気』の著者で、哲学者の岸見一郎氏がリーダーのあり方を説く連載の第59回。リーダーがどんな態度、姿勢であれば部下は働きやすいと感じるのか。無言で断罪してはいないでしょうか。

 私は普段一人で仕事をしているので、他の人から影響を受けることはありませんが、人が集まって仕事をするのであれば、他の人の気分や機嫌がまわりの人に影響を及ぼします。

 朝から不機嫌な人は、自分だけではなくまわりの人にも好ましくない影響を与えています。「まわりに気を遣わせるな、甘えるな」と部下を一喝する上司が登場するドラマを見たことがあります。本人はまわりに気を遣わせることで自分に注目を集めようとしてることに気づいていないでしょう。

 リーダーも対人関係の中で働いているので、リーダーの気分は部下に影響を及ぼします。いつも不機嫌で部下に当たり散らすようなリーダーは有能とはいえません。どんな仕事も一人ではできないので、皆の協力が必要です。それにもかかわらず、部下を威嚇するようなリーダーの前で部下は萎縮してしまい、能力を発揮することができないからです。

 気分が安定し有能なリーダーであれば、部下から嫌われることはないでしょうが、敬して遠ざけられることはありえますし、部下はそのようなリーダーを見て、とてもあんなふうにはなれないと、劣等感を持つかもしれません。

 ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスが、死にゆく時にこんなことをいう人がいない人は幸福だろうといっています。

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2/22ウェビナー開催、ウクライナ侵攻から1年、日本経済「窮乏化」を阻止せよ

 2022年2月24日――。ロシアがウクライナに侵攻したこの日、私たちは「歴史の歯車」が逆回転する光景を目にしました。それから約1年、国際政治と世界経済の秩序が音を立てて崩壊しつつあります。  日経ビジネスLIVEは2月22日(水)19時から、「ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済『窮乏化』を阻止せよ」と題してウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは、みずほ証券エクイティ調査部の小林俊介チーフエコノミストです。世界秩序の転換が日本経済、そして企業経営にどんな影響を及ぼすのか。経済分析のプロが展望を語ります。視聴者の皆様からの質問もお受けし、議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。 

■開催日:2023年2月22日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済「窮乏化」を阻止せよ
■講師:小林俊介氏(みずほ証券エクイティ調査部チーフエコノミスト)
■モデレーター:森 永輔(日経ビジネスシニアエディター)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
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■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

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