北陸3県を中心に鶏卵を供給。オリジナルのブランド卵も知られていた。卵市況の低迷で低収益構造から脱せず、設備投資も重しになった。21年からの飼料価格の高騰が打撃となり、資金繰りが行き詰まった。

富山県西部、小矢部市は県内でも養鶏の盛んな地域だ。その小矢部に拠点を持つ中堅養鶏業者、床鍋養鶏とグループ2社は2022年11月、富山地方裁判所に自己破産を申請、11月29日に破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は3社で17億3655万円。
鶏卵業界は苦境の中にある。やはり富山県が発祥の地である業界最大手のイセ食品は22年3月に会社更生手続きの決定を受け、グループ8社とともに経営再建途上にある。国内養鶏業者の減少も続き、直近の3年間で15%減、1810戸となっている。
国内自給率は97%、基本の食材として加工用にも広く使われ、日本の食に欠かせない卵。しかしその生産は薄氷の上にある。
付加価値卵に取り組み
床鍋養鶏は1950年、床鍋嘉昭社長の父、床鍋嘉信氏が50羽の鶏の飼育から創業した老舗の養鶏業である。76年に法人化し、2カ所の農場で約30万羽を飼育する。
卵は北陸3県の食品スーパーなどで販売するほか、食品加工業者や飲食店に販売。子会社のトコエッグが商社機能を担っていた。またオリジナルのブランド卵を、子会社のトコフーズが一般消費者向けに販売していた。直近の売上高は3社合計で約18億円という。
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