後を継いだオーナー経営者に、自身の経験から得た「後を継いだ経営者がやるべきこと、やるべきではないこと」を語ってもらう連載。今回は、泉屋の今西栄策社長。

 泉屋は1962年、私の父が京都府木津川市で創業し、キリンビールの元売り専売業者としてその歴史をスタートさせた酒類卸業です。ちなみに家系図をたどると、私は幣原喜重郎のひ孫にあたり、さらに祖先をたどると、西郷隆盛の玄孫にあたります。家業に入った頃は酒販規制の緩和・自由化が進んでいた時期で、入社して10年は小売店への販路開拓に没頭していました。

 2007年の社長就任に際して忘れられない出来事があります。父が私の社長就任直後の朝礼でこう語りました。「私は会長になるが、社内の体制は何も変わらない。安心して私についてきて」。社内外からは「名前だけの社長」なんて呼ばれました。名ばかりの社長で従業員も取引先もみんな父の方を見ていました。私の存在価値はどこにあるんやろうかと、正直、気持ちが腐りかけましたね。

 自分自身の存在価値と同じように、会社にも特徴がないことを懸念していました。仕入れた商品を右から左に売るだけなら、別にうちの会社でなくともできることです。いなくてもいい社長と地域からなくなっても誰も困らない酒類卸。社長になってから数年はそんな悶々とした気持ちを抱え続けていました。

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2/22ウェビナー開催、ウクライナ侵攻から1年、日本経済「窮乏化」を阻止せよ

 2022年2月24日――。ロシアがウクライナに侵攻したこの日、私たちは「歴史の歯車」が逆回転する光景を目にしました。それから約1年、国際政治と世界経済の秩序が音を立てて崩壊しつつあります。  日経ビジネスLIVEは2月22日(水)19時から、「ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済『窮乏化』を阻止せよ」と題してウェビナーをライブ配信する予定です。登壇するのは、みずほ証券エクイティ調査部の小林俊介チーフエコノミストです。世界秩序の転換が日本経済、そして企業経営にどんな影響を及ぼすのか。経済分析のプロが展望を語ります。視聴者の皆様からの質問もお受けし、議論を深めていきます。ぜひ、ご参加ください。 

■開催日:2023年2月22日(水)19:00~20:00(予定)
■テーマ:ウクライナ侵攻から1年 エネルギー危機は23年が本番、日本経済「窮乏化」を阻止せよ
■講師:小林俊介氏(みずほ証券エクイティ調査部チーフエコノミスト)
■モデレーター:森 永輔(日経ビジネスシニアエディター)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。視聴希望でまだ有料会員でない方は、会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

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