ハラスメント対策は?

 そんな職場形成に影響を与える経営者の価値観の1つに、ハラスメントへの考え方があります。アンケートでは「企業のハラスメント対策についてどう思いますか」と尋ねてみました(Q5)。

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 「かなり重要」と答えた人は42%、「ある程度、重要」と答えた人は51%で、計93%がハラスメント対策は「重要」と回答しました。

 合計すると高い割合ですが、実はこの質問で知りたかったのは、「ある程度」ではなく、「かなり重要」と思っている人の割合でした。

 例えば、パワハラは「この程度なら問題にならないのでは?」と黙認されがち。ハラスメント防止対策の専門家・樋口ユミ氏は、「パワハラは『グレー』と思う時点でダメ。グレーも許さないという意識で取り組まないと、パワハラをする人への気づきは促せず、職場は改善しません」と指摘します。

職場の理想と現実、そのギャップを埋めることが大切(写真/PIXTA)
職場の理想と現実、そのギャップを埋めることが大切(写真/PIXTA)

 それだけにまずは、「かなり重要」と捉えることが大事です。

 アンケートでは、「相手を萎縮させてしまう可能性がある『強い言葉』はできるだけ使わないように努めている」という経営者がいる一方で、「問題社員がハラスメントを盾にするケースもある」と指摘する人もいました。

 この、ハラスメント指摘の悪用にも注意が必要です。事実無根であるにもかかわらず、相手を陥れるために、悪意を持ってハラスメントを訴える人もいます。

 20年6月1日、職場のハラスメント防止措置を企業に義務付ける、いわゆる「パワハラ防止法」(改正労働施策総合推進法)が施行されました。大企業が対象ですが、中小企業(製造業では資本金3億円以下、または従業員数300人以下)も22年4月から対象に加わります(それまでは努力義務)。

 違反に罰則規定はありませんが、行政指導の対象となり、改善しなければ社名が公表されます。

 ハラスメントが発覚し、拡散されると、企業イメージが大きく崩れ、採用も難しくなります。この機会に、ハラスメントについて真剣に考えてみてはどうでしょう。

(この記事は、「日経トップリーダー」2022年1月号の記事を基に構成しました)

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