人材不足への意見が続々

 今回、関心の高いテーマについて意見を募った自由記入欄でも、最も多かったのが人材不足に関するものでした。

 「人手不足は待ったなしの状況。AI(人工知能)が解決してくれるという単純な構図ではない。足りないものを補うのは問題の対処をしているだけ。優秀な〝人財〟を採っていかなければ未来はない」

 「ミャンマーの技能実習生を受け入れているが、病院・介護業界などにも、もっと障壁を低くして人の流動性を高める必要がある」

 「海外からの移民を受け入れなければ、慢性的な人材不足となることは明白。そのために、国が強力な施策を実施し、強みを持続(利益を確保し、社員の給与をアップ)できる企業を創成(再生)しなければならない」

 「建設業は人材不足で、膨大な社会インフラの維持・更新を支えられない時代がやってくる」

 コロナ禍で外国人労働者が減って十分に稼働できない工場もあります。「人はどこにいるのか? と思うほど、とにかく求人をしても人が来ない」と嘆く経営者もいるなど、業界問わず、かなり深刻な状況がうかがえました。

 人が採れた後も安心できません。

 「『採る』ことばかりに力を入れ、新入社員や転職者のケア・育成をおろそかにしている経営者が多い。人材不足と言いながらも、『人は勝手に育つ』と考えている節がある」と、苦言を呈す人材コンサルタントなどの専門家もいます。

 「人が足りなくなったら、足せばいい」という考え方はもう通用しません。特に離職率が高い「入社から6カ月」は手厚いケアが必要です。新人は放っておかれるのが一番つらいといいます。働く姿をしっかり見て、声をかけるだけでも違います。

どうすれば人が来るか

 人材不足を解消する手段として、最も分かりやすい施策があります。それは「会社の魅力」を高めること。結局のところ、「あの会社に入りたい」と思ってもらえるかどうかです。

 「入りたい」と思ってもらえる分かりやすい指標は何でしょうか。それは「高い賃金」と「職場の良い雰囲気」です。

 もちろん、企業理念に共感したり、独自の技術に引かれて入社する人もいると思いますが、基本的に従業員の安心材料は、お金と居心地にあるのです。

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