継がせたい人はいる?

 会社の将来といえば、経営者の平均年齢の増加傾向が止まらないことも気になります。現在は60・1歳(21年1月時点、帝国データバンク調べ)。今回のアンケートにお答えいただいた読者の平均年齢は56・3歳ですが、20年後の年齢を考えると、後継者問題はひっ迫していると言えます。

 今回、「経営を継いでもらいたいと思っている人はいますか」の質問(Q2)では、約6割の人が頭の中に候補者を思い浮かべましたが、一方で「そう思える人がいない」という人も4割いました。

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 安易に息子に継がせて失敗するケースもよく見られます。「優秀で仕事ができる」という条件だけでは経営者は務まりません。

 アンケートでは、「従業員やその家族に対して、安心して働ける環境を継続して提供できる人であるか」を条件にする人もいました。他人を思いやれる人格面もしっかり見ることが求められています。

 このほか、まだ余力があるにもかかわらず、「もう、疲れた」などと、事業を諦めるケースも目立ちます。金融支援の拡大や持続化給付金などの支援策が功を奏し、コロナ以降の企業の倒産件数は低水準で抑えられていますが、コロナをきっかけに、心が折れてしまった経営者もいるのです。

 そんなとき、後継者がいれば、どれだけ心強いか。「後を継ぐ者」の存在は、経営者の心のケアにもつながります。

 なお、事業承継時には、経営権や支配権(株式)の譲渡などでトラブルに発展することもよくあります。親族内承継で、家族・親戚間で醜い争いになることは避けたいはず。社外の人間に任せる、M&A(合併・買収)を検討するなどの方法もあります。

 事業承継問題は、後回しにせず、時間をしっかりかけて検討することが大切です。