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 経営者を取材していると、しばしば強烈な信仰心に遭遇する。得度した京セラ創業者の稲盛和夫氏のように、仏教やキリスト教などの宗教に帰依する人もいるが、どちらかというと独自の信仰対象を持っていることが多い。

 私欲だけでは従業員をまとめ上げることはできない。もっといい会社をつくりたい、経営者としてもっと成長したいというストイックな側面を強めた経営者が、自らを省みる信仰対象を持つことは自然だ。本当の悩みは幹部にもなかなか吐露できないので、心の支えも必要だろう。

 時代の転換点を迎え、経営者には今後、難しい判断が求められる局面が続く。そんなときには、祈ってみてはどうだろう。決して冗談で言っているのではないことは、本特集で紹介する経営者たちの「信仰の現場」を見ればお分かりいただけるはずだ。


(写真/PIXTA)
<特集全体の目次>
●松下幸之助を支えた信仰「宇宙根源の力」
●フォーバル大久保会長、太陽と月に毎日祈って30年(1月14日17時公開)
●毎朝、水風呂で『大断言』を唱える経営者(1月15日公開)
●ラッキーピエログループ・王会長「3つの神に信念を誓う」(1月18日公開)
 アクト・伊藤社長「通勤中に車内で詩を発話」(1月18日公開)
 アサヒ・ドリーム・クリエイト・橋本社長「毎月欠かさず、往復7時間の墓参り」(1月18日公開)
●コンサス・土井社長「「初辰まいり」で業績報告」(1月19日公開)
●KRDコーポレーション・小松社長「1日3回、元禄時代からの先祖の名を読み上げる」(1月19日公開)
●築地本願寺・安永代表役員・宗務長「謙虚になって初めて、ものが見えるようになる」(1月20日公開)


幸之助を支えた信仰

特集のテーマ「祈りの経営」を語る上で、まずは偉大な経営者の話をしておこう。パナソニック創業者、松下幸之助の信仰心についてだ。幸之助はどの宗教宗派にも帰依せず、自ら信仰の対象を見いだした。それがどのようなものなのかを見ていく。

 信仰心に強い関心を持っていた経営者の一人に「経営の神様」と呼ばれたパナソニック創業者・松下幸之助がいる。幸之助はさまざまな宗教宗派と関わり、真理や教化の手法について思考を巡らせたが、特定の宗教に帰依することはなかった。

自ら建立した「根源社」の前で手を合わせる松下幸之助(写真/PHP研究所)

 そんな彼がたどり着いた信仰の概念が「宇宙根源の力」だった。