『嫌われる勇気』の著者で、哲学者の岸見一郎氏がリーダーのあり方を説く連載の第35回。「リーダーは上に立とうとしなくていい。認められようとすることは間違い」。そう説く岸見氏の真意とは。

 上に立とうとするリーダー、上に立つことがリーダーになることだと思ってリーダーになった人は怯(おび)えています。誰かが自分の上になることはもとより、自分と並ぶことも我慢ができず、いつ何時その地位から蹴落とされるかもしれないと戦々恐々としているのです。

 アドラーは次のようにいっています。

「(そのような人は)自分が優越しているという感覚を常に必要とし、それゆえ、またいつも誰かが自分に何らかの仕方であまりに近づきすぎないか、自分が十分高く評価されているかどうかを窺(うかが)っている。通常、それには極端な不信感が結びつくので、誰も信頼しない」(『性格の心理学』、以下の引用も同じ)

 本当に優れたリーダーというものは「自分が優越している感覚」を必要としませんし、優れていることを他の人から認められる必要も感じません。

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