全7218文字

Baseconnect(ベースコネクト、京都市中京区)は、新規営業のために企業リストを作る業務がとても非効率であると気づき、インターネットで簡単に企業情報を検索、活用できるWebサービスを2019年に始めた。いずれは、AIが人に代わって情報検索をするという時代をつくっていきたいと、AIが探しやすい形でさまざまなデータを蓄積し続ける國重侑輝社長に事業の意義とその将来を聞いた。

(聞き手/日経BP 日経トップリーダー編集 田中 淳一郎 構成/片瀬 京子)

事業で今、力を入れていることを教えてください。

國重侑輝氏(以下、國重):企業の法人営業担当者は、新規開拓のための企業リストを作ったことがあると思います。当社は、こうした企業情報を集め、活用する作業を楽にする企業データベース(DB)を提供しています。

 一定のフォーマットに沿ってデータが整理されたDBを作り、見やすく、使いやすい形で取り出せるのが特色で、今はそのDBの使い勝手をより高めているところです。

 登録企業数は100万社を超えたところです。登記されている400万社のうち、実際に活動しているのは、100万から130万社といわれていますので、必要な企業のデータはほぼ収録できたと思います。さらに事業所や支社などの細かいデータを加えながら、データ活用のしやすさの改善など、サービス機能の拡充を進めています。

國重侑輝(くにしげ・ゆうき)
Baseconnect株式会社代表取締役社長。1990年生まれ。大阪府出身。高校生の頃から、国際NGOを立ち上げるなどして国内外の貧困問題解消に関わる。立命館大学国際関係学部在学中にインターネットスタートアップのCampusを創業。2017年にベースコネクトを創業。19年に企業情報データベースをリリース。利用社数は既に4万4000社を超える(写真提供:ベースコネクト)

 私は当社を起業する前、広告代理店の営業の仕事をしたことがあったのですが、このときは電話帳のア行から延々と電話をかけていました。1日500件くらいかけるのですが、アポイントが取れるのは100件に1件あればましなほうです。

 これでは、電話をかけるほうも、電話がかかってくるほうも不幸です。非効率的で、事前にもっと反応の良い企業リストを作っておけばいいのにと思っていました。とはいっても、日本には登記数で言えば400万社の会社があります。そこから適切な営業先を選び出すという作業は、実は人にできることではないのです。

 そのため、営業先を見つける仕事は、手当たり次第にテレアポをしたり、あるいは広告に膨大な投資をして問い合わせを待ったりするといった非効率な作業になっています。

顧客を分析するのは難しい

 当社の起業を考えているとき、企業向けのDBを提供している会社はないのか調べてみたところ、名簿事業者や信用調査会社などがあったのですが、情報の形式や蓄積の仕方はまちまちで、そこにイノベーションは起こっていないと感じたんです。

 そこで、企業情報を提供するサービスで、オープンな環境にデータを置いて、多くの人が情報を探しやすい仕組みを提供したいと思ったのです。企業DB事業を始めたきっかけはここにあります。

 当社の企業DBは、従来のように業種や企業規模、地域など多様な属性により企業を検索できるのはもちろん、利用会員になってもらえれば、既に取引のある企業を登録することで類似企業の新規開拓候補をリコメンド(お薦め)するといった機能も使えます。

 企業は、既に持っている顧客の情報を企業名では把握していますが、どんな業種や規模の会社が多いのかまでは案外分析していません。当社のDBを使って、改めて自社が持つ顧客リストを分析し、そこで気づきを得てもらってもいいですし、こちらからリコメンドする企業リストを、そのまま取引先候補として利用してもらっても構いません。