KARTEは、そうした今どきの体験価値を消費者に提供しているのでしょうか。
倉橋:KARTEはSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)と呼ばれるクラウドのプロダクトです。
企業がKARTEを導入すれば、その日から自社のサイトに来ている人、アプリを使っている人が“可視化”され、彼ら一人ひとりに対して、適切に提案したりサポートしたりできるようになります。
導入企業のWebサイト閲覧者やアプリの利用者に対して、きめ細かい顧客体験を提供できるわけです。
今、自社のWebサイトを見てくれている人は、以前ここで〇〇を買ったことのある、〇〇の分野の商品をよく見ている30代の男性で、久しぶりに訪れてくれた人、などとシステム上でリアルタイムに可視化できます。
導入企業は、そのような閲覧者がサイトを訪れたら、その人が興味を持ち得そうな情報を即座に発信するとかクーポンを発行するといったアクションをKARTEにあらかじめセットしておきます。KARTEはその人を見つけ次第、自動的にそうしたアクションを実行していきます。
CXプラットフォーム以前のマーケティングシステムでは、サイトを訪れた人が何を見ているかリアルタイムでは分かりません。アクションを起こすにしても、今ではもう考え方や用事が変わったかもしれない過去の行動を基にしていますので効果は不透明です。
中小企業でも導入できる
KARTEに設定する条件やアクションはどのように決めるのですか。
倉橋:導入企業が自由に設定できます。担当者には、KARTEを通して自社サイトに来る人の行動を見てもらい、感じてもらって、この行動情報は活用する、この行動情報は必要ないといった判断をしてもらいます。
この作業を続けると、来訪者=潜在顧客の解像度が上がっていきますので、今度は彼らに対してどのようなアクションを起こすかを考えてもらいます。
導入企業と話をしていると、「この商品はこういう人に提案したい」「最近始めたサービスはこういう人に使ってほしい」という思いをもともとお持ちだと分かります。
これを基本設定として、現実にはこの商品にはこういう人が反応します、という要素を加味しながらチューニングしていくと、企業がやりたかったことがクリアになっていくのです。
今後は機械学習を活用した提案もできると思います。人が考える提案はこうかもしれないが、実は、機械学習から導き出されるこっちの提案の方がいい、といった面白さも今後見つかってくると思います。
中小企業でも活用できますか。
倉橋:KARTEを運用するのに誰か1人を張り付けておく必要はありません。
基本的には、まず設定をして、その後は状態を見ながらCXをチューニングしていけばいいのです。導入した企業では、既に何かのシステムオペレーションを担当している方が兼務するケースがほとんどですね。
ただ、チューニングすればするほどパフォーマンスが上がりますので、最近はKARTE専門のCXチームをつくる企業もあります。
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