CASTの普及のために注力していることはありますか。
伴:飲食店などに訪問営業するより、店舗運営のための管理をする人と働く人のニーズと課題を把握して、それをクリアするサービスをさらにつくり込みつつ、適切なウェブマーケティングを実施することで広めていこうとしています。
店舗運営に関わる顧客は、時間があるわけでも格段にリテラシーが高いわけでもないので、基本的には機能が増えてもLINEが使えれば利用できるような設計にします。チャットの速度も改善したい。顧客がアプリをダウンロードしてから使い始めるまでにいろいろ登録をしますが、どこで止まってしまうか、あるいは使い始めてもらってからつまずくポイントをしっかり見て対策します。
ウェブマーケティングでサービスを広めるには、サービスの内容を理解してもらうための見せ方などの工夫をしていきます。格好良さが好まれる領域でもありませんので、多彩な手法を試してみたいと思っています。例えば訴求ポイントは「コミュニケーションツール×シフト管理」ですが、シフト管理という言葉を押し出すと、シフトを組むイメージが強すぎます。
こういう観点から、丁寧に工夫や改善をしていかないと、マーケティングをしてもうまくいかないでしょう。
hachidoriについても同じですか。
伴:hachidoriは完成形に近いと思っています。なので、次の戦略を考えています。今後はプロダクト改善だけではなく、特定の業界・業種に特化して拡販するような開発が必要になってくると考えています。
チャットボットについてまだ知らないという方もいて潜在需要もあります。一方で、今のままでは伸びが鈍化してしまうマーケットでもあると思いますので、チャットボットの新しい使い方、新しい文化を自分たちが先がけとなってつくっていきたいと考えています。
日本人、外国人を問わず優秀な人材に高給を払う仕組みを
今後、開発したいサービスはほかにもありますか。
伴:CASTは、採用機能の追加のほか、パート・アルバイトの勤怠履歴などを精緻にデータ化することで、優秀な人ほど高い給料をもらえることにつながるツールにできるのではないかと思っています。
例えば日本の飲食店などで働いているベトナム人は大勢いますが、まだ日本人の安価な代替力としか見られていない面があります。しかしこれは間違っています。学歴、職歴、国籍などではなく、仕事の真面目さなどのしっかりした評価軸があれば、日本人よりも優秀なベトナム人には高い給料を払って当たり前だと思います。
仕事が公平に評価されるようになれば、彼らも日本は働きやすいから住み続けたいし、日本で家庭も持ちたいと思うようになるでしょう。そして日本の総人口が増えていく可能性も出てくるのです。
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