hachidoriにAI(人工知能)は使っていますか。


:それほどAI機能は入れていません。もちろん、チャットボットが適切に答えを出せた、出せなかったというデータは全て取っていて、回答できなかったやり取りはできるように改善していますし、「パソコン」と「PC」のような言葉の揺らぎも学ばせています。

 ですが、チャットボットが勝手に学習する仕様にはしていません。チャットボットのエンドユーザーの中には、相手がチャットボットだと分かると暴言を吐く方もいるので、それを学んでしまうと、暴言を吐くチャットボットが生まれてしまうからです。

飲食店向けアルバイトの勤務シフト管理ツールを提供


hachidoriの次は、「CAST」というサービスを開発し提供していますね。


:パート・アルバイトを150人ぐらい雇っている印刷工場から、hachidoriを使いたいという相談を受けたのが開発のきっかけでした。

 その印刷工場では、150人が1つのLINEグループに入っていて、パート・アルバイトさんからLINEに上がってくる情報を基に、シフト交換や勤怠実績の把握をしているということでした。工場長はひたすらLINEをスクロールして必要な項目をExcelに転記する。この作業が大変なのでチャットボットで解決したいという相談だったのです。

 hachidoriでこの工場長の要望に応えられたときには本当によかったと思いましたし、本当に彼の仕事を効率化できたという実感も得られました。

 この話を、行きつけの飲食店でしましたら「うちも使いたい」と言われたんです。ただ開発運用のための費用がかかりすぎだとも言われました。このときは、日本のあらゆる人の仕事を効率化していきたいのに、ある程度お金を持っている人にしかサービスを提供できないのではダメだ、彼らも気軽に使えて彼らの生活を変えられるサービスにする必要があると思いました。

 店舗向けのサービスを検討しているとき、仕事の現場で多くの人が普段LINEに頼りすぎていることの弊害も見えてきました。何でもLINEでやり取りするので公私混同してしまうこともあります。LINE上でハラスメントが起こることもあります。もうアルバイトを辞めているのに、その職場の人から何かメッセージが来てしまうこともあります。

 では、ビジネス専用のチャットシステムを飲食店などの個店が導入するかといえばやはりコストがかかりすぎます。そこで店舗での業務上のコミュニケーションについて調べてみると、6割ほどがシフトに関するやり取りだったんです。なので、店舗向けにはシフト管理の仕事を自動化することを起点に開発しました。

 CASTはスマートフォンで使えるオリジナルアプリです。シフトに入るメンバーの自動募集や催促、シフト調整などの基本機能に加え、LINEグループとの連携、タイムカード・勤怠機能といった応用機能も付いて、例えばアルバイト1人当たり月250円で使える導入しやすいサービスとしてリリースすることができました。

 今後はこのCASTをプラットフォームにして、求人など、店舗運営に必要なほかのサービスもどんどん載せていく予定です。3年間で5万店に使ってもらいたいという目標を持っています。

CASTは、飲食店などでシフト管理や勤怠管理を安価でできるスマートフォン用アプリ。管理者側とアルバイト側でアプリをダウンロードすればすぐに使い始められる(写真提供:hachidori)
CASTは、飲食店などでシフト管理や勤怠管理を安価でできるスマートフォン用アプリ。管理者側とアルバイト側でアプリをダウンロードすればすぐに使い始められる(写真提供:hachidori)
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