全6100文字

「株主がこう言っている」というのは極めて強いプレッシャー

水野:ありがとうございました。最後に、まとめとしてお二人に一言ずつお願いします。

守島:私は株主対応やコーポレートガバナンスの専門家ではありませんが、人事管理の専門家として、「今、日本の人事管理が変わらないと、日本の企業は結構やばいことになる」と思っています。こうして話をする機会をいただいたのはとてもよかったと思います。

 外部からのプレッシャーを契機に日本の人事管理を変えていく。先ほど申し上げた好循環がうまく回るよう、井口さんのような投資家サイドにも尽力いただく。素晴らしいことだと思います。人事関係の方々は、事態をシリアスに捉え、自社の人事管理が今の経営戦略に合致しているかについて本気で考える時期に来ています。経営トップに計画のアイデアを提出する際、「株主がこう言っている」というのは極めて強いプレッシャーになるはずです。実践のきっかけにしていただければ幸いです。

井口:6~7年前、私が、統合報告書の効用をお話ししたとき、企業の方の反応は極めて冷たいもので、「そんなものを作って誰が読むのか」という感じでした。しかし現在では約400社の企業が統合報告書を作り、実際に投資家が読むようになっています。企業の人材戦略にも焦点が当たり始めたばかりですが、これからはもっと注目が集まるのではないか、と思います。

水野:お二人の見解やご指摘はとても示唆に富むものでした。ぜひみなさんのお役に立てていただければと思います。本日はありがとうございました。

(構成/若槻基文)