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革新的な企業風土づくりのベースとなる「UNBOSS」

 ノバルティスグループは現在、新たな企業風土を醸成するための活動を推進しているという。その中核となるのが「UNBOSS(アンボス)」だ。

 「昨年、ノバルティスグループの新しいCEOにヴァス・ナラシンハンが就任しました。41歳の若さで今、世界最大規模の医薬品メーカーを率いています。彼が全社的に推進している理念の一つが『UNBOSS』、すなわち部下と上司の垣根をできるだけ取り除くという考え方です。これによって、部下たちがエンゲージメントを高め、セルフモチベーティングしながら仕事ができるようにしようというものです。我々も含め、全世界のノバルティスグループがこの考え方に沿って企業風土の構築に取り組んでいます」(綱場氏)

 これを受けて、日本法人であるノバルティスファーマでは2022年の自社のあるべき姿をまとめた「Destination 22」を策定している。同社が2022年までにどんな企業になりたいかを示したステートメントだ。

 「もちろん多くの企業が、経営企画室を中心に『中期経営計画』などの形でこうしたステートメントを作成しているかもしれません。Destination 22の最大の特徴は、上からのお仕着せではなく、社員25名を集めて彼らが主体的に作成したものだということです。売上高や市場占有率といった数値目標だけではなく、どんな企業風土をつくりたいのか、どういう社会的評価を得たいのか、そのためにどんな人材育成が必要か、などを含めた計画・目標です。社員が主導して作成したという点は大変重要で、私はこのことを誇らしく思っていますし、大きな手応えを感じています」(綱場氏)

 このほか同社では、社員同士が褒めたたえ、称賛し合うカルチャーを醸成する仕組みとして「レコナウ・ポイント」システムを導入している。「レコナウ=recognition now」とは、「相手を承認・評価している」という意味。システムを通じてある社員を承認すると、その人のポイント(レコナウ・ポイント)として加算される。

 「日本人は、上司・部下や同僚に面と向かって『ありがとう』というのは苦手です。相手への感謝や承認の意をポイントシステムの形で表すのはハードルが低く、互いに気軽に褒め合うことができます。ポイントを与え合うことをきっかけに社員間のコミュニケーションを高めていく取り組みです」(綱場氏)