ルティーナは、紫外線やブルーライトをカットするレンズですか。


古澤:ブルーライトは、光の波長が380nm(ナノメートル=100万分の1ミリ)から500nmの光で、ブルーライトカットレンズと呼ばれるものの多くは、その波長域の光を少し低減させます。その光を完全に遮断するわけではないのです。その理由は、カットしすぎると明るさが保てないからです。紫外線カットレンズは紫外線、波長が380nmより短い光をカットします。

 一方、ルティーナは人の目の中にある色素、ルテインを劣化させるといわれる400~420nm付近の光を、レンズに色を付けることなく94%カットします。ルテインは目の網膜を有害な光から守っているのですが、そのルテインをメガネで保護することで目の健康につながるという提案なのです。

 この提案は私たちが初めてでした。今でこそ、サプリメントでその機能を補おうという商品が出ていますが、ルテインという言葉を知っている人さえほとんどいなかった頃です。

 今、個人経営のメガネ店は、集客に悩んでいます。そこで私たちは、エンドユーザーの目のルテインの量を測定するイベントの開催を店舗に提案しています。エンドユーザーにメガネ店に来ていただいて、測定をして説明し、納得して買っていただくというこの提案によるサイクルは非常にうまく回り、それがルティーナの成功につながっています。

東海光学は、目の健康につながるレンズ「ルティーナ」の告知、およびメガネ店への集客イベントとして、エンドユーザーの目の中にある目を守る色素、ルテインの量を測るイベントを開催している(写真提供:東海光学)
東海光学は、目の健康につながるレンズ「ルティーナ」の告知、およびメガネ店への集客イベントとして、エンドユーザーの目の中にある目を守る色素、ルテインの量を測るイベントを開催している(写真提供:東海光学)

メーカーが、エンドユーザーと常に接している販売店に売り方を提案するというケースは珍しいのではないでしょうか。


古澤:私たちの経営理念の第1に、顧客第一主義があります。

 メガネ店が成長するから東海光学が成長できます。そこで、私たちはメガネ店の悩み事を解決できる提案をし、信頼してもらい、関連の商品を売っていただくという循環を大切にしているのです。個人経営の専門店の悩みが集客なら、集客につながるイベントは何かないかと考えます。

 大手メガネチェーンにも課題はあって、個人経営の店と同じように集客に困っているところ、売価が上がらないところ、若いお客さんに来てほしいところ、課題はさまざまです。ですから、私たちは顧客それぞれに合わせた提案をしています。

「女子開」が女性のためのメガネを開発


ほかにも顧客への独自提案はありますか。


古澤:2011年に通称「女子開」という女性だけの商品開発チームを設けたのですが、この女子開による商品提案は、非常に多くのメガネ店からご評価いただいています。特に、女子開が最初にプロデュースし12年5月に発売した「肌美人」は、これまでにない切り口の商品です。

 カラーレンズは昔からありましたが、肌美人はメガネレンズの色で顔の雰囲気を明るくしたり、美白効果を出したりするという機能を持たせています。パーソナルカラーアドバイザーの資格を取った社員たちがメガネ店に赴いてのカラー診断イベントも実施しています。女子開のメンバーは、企画やデザイン、販促のほか、生産部門との調整もしています。

 レンズの製造工程には、配合したモノマーを重合しレンズを成形するキャスト、その後に研磨、染色、コーティングするという合わせて4つの要素があります。肌美人の大きなポイントは、この染色工程で出す色目です。この色目の再現に、生産工程部門とかんかんがくがくの調整がありました。上市までには100枚以上の試作を経ています。

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