全6878文字

新たに取り組みたいことはありますか。


:AR(拡張現実:Augmented Reality)です。便利なツールとして定着する可能性があると思っています。

 今のところ、どのサービスもARを必要としていません。ただ、ゲームについては近々、ARを活用する可能性は高いと思っています。今、多くの人がスマホを持たずに外出すると不安になると思うのですが、近い将来、ARグラスを掛けずにいると不安を覚えるようになる、そこまでいくかもしれません。

2013年に「cyma(サイマ)」という自転車専門通販サイトの運営を始め、EC事業に参入しています。


:今はまだそれほど好調ではないのですが、通販なのに自転車を組み立ててお届けするためライバルがいません。

 ただ、大事なタイミングで配送料が高騰してしまったと感じています。また、リアルな、しかもサイズの大きな商材の在庫を持つのがここまで大変なのかということを実感しています。このサービスにニーズがあることは分かりましたので、体制を仕切り直そうと考えています。

 あまり表には出ていませんが、「エアコンお買い得ドットコム」というエアコンの通販も手掛けています。取り付け工事とのセット販売をすることで、その工事部分が利益になります。ほかに、サプリの通販も「minorie(ミノリエ)」というブランドで始めています。ここで販売しているサプリは当社のオリジナル商品です。

17年12月にはM&A(合併・買収)によって技術情報を投稿する情報共有媒体『Qiita(キータ)』を傘下に収めています。


:このM&Aを発表したときには社内で歓声が上がったんですよ。社内にもこの媒体のユーザーが多かったということです。この場を使い、技術者の転職支援サービスを展開する準備を進めています。

 このサイトは、最高瞬間同時接続が1万件にも上るサイトです。例えばシステム開発者が、プログラムの記述が分からない場合に、サイトに共有されている情報を参考にして解決するという使い方がされています。情報を提供する人よりも、見ている人のほうが圧倒的に多いのですが、そこに求人を出すのです。

 一般的に、技術者と企業のマッチングには問題があります。例えば、求職中の技術者と人材募集中の企業との間に採用事業者の営業担当者が入って仲介しますが、その営業担当者が求職者の詳細な技術力まで理解できず、適切にマッチングさせられないケースは少なくありません。

 Qiitaでは、募集する側と応募する側が直接、チャットなどで話せるようにしますし、応募する側が過去にどんな投稿をしてきたか、投稿した技術情報を見れば募集する側にも分かります。いい投稿をしていればオファーがたくさん来て、給与の上昇にもつながります。

新しいビジネスのアイデアは社内から出てくるのですよね。


:そうです。応募制で3カ月ごとに新規事業案コンテスト「A+」を開催しています。ハナユメもcymaも、目覚まし時計アプリやカロリー管理アプリ、視力トレーニングアプリなどが無料でダウンロードできる「ZeroApp」もここから生まれた事業です。

 このコンテストの場でも常々言っているのは、儲かるビジネスをしなければ、給料は上がらず、金銭的に裕福になれないよということです。思い付きではなく、市場があるところで仕事をしよう。こうした考え方こそが世の中に良いことをもたらすのだと。実際、この考え方が私たちの経営の基本になっていると思っています。

エイチームは3カ月ごとに新規事業案コンテストを開催。林氏はこの場でも「思い付きではなく、市場があるところで仕事をして儲けよう。そうすれば世の中に良いことをもたらす」と言っているという