ゴルフテックとはどのようにして出合ったのですか。


石坂:最初は、ネットで知りました。

 米国のゴルフ場というと、青々とした緑が広がっていて、芝生の敷かれた練習場もある。それも、ベッドタウンの家から車で10分行けば着く。米国にはそうしたゴルフ環境があるのに、ゴルフテックはインドアに特化したスクールなんです。そこでゴルフ用品も販売している。

 ゴルフテックのTECは、Technique、Equipment、Conditioningで、スクールビジネス、物販、そして日々のコーチやケアを複合した事業、という意味です。米国のインドアスクールであることも興味を持ちましたし、1つの事業で2つ以上の価値提供をしていて、経営的に複数の収入源があるという点も魅力的に映りました。

 そこでゴルフテックの社長と面会したいと思いメールを送ったんですが、なかなか返事は来ません。電話を掛けましたら今度はたらい回しです。それでも何とか社長につながりまして、すぐに米コロラド州のデンバーへ行くことが決まりました。2011年のことです。

12年、GDOは米国のインドアゴルフスクール、ゴルフテックと提携、18年には傘下に入れた。受講者は細かいスイングデータなどを基に指導を受ける。今後はスクールでのお薦めクラブ販売の本格化、コンディショニングと呼ぶフィジカル管理サービスの開発も進めていく
12年、GDOは米国のインドアゴルフスクール、ゴルフテックと提携、18年には傘下に入れた。受講者は細かいスイングデータなどを基に指導を受ける。今後はスクールでのお薦めクラブ販売の本格化、コンディショニングと呼ぶフィジカル管理サービスの開発も進めていく

かかりつけ医のようなコーチがゴルフライフを支援

テックの3つ目、日々のコーチやケアを複合した事業であるコンディショニングとは具体的にどのようなサービスですか。


石坂:ここはまだ当社で実現できていないところです。

 理想としては、ゴルフスクールのコーチが、用品知識も身に付けて適切な商品を薦められるようになる、人間の体の構造に詳しくなってトレーニングの指導もできるようにしたいと考えています。

 トレーニングについては、関節が硬いとか筋力が弱いといった状態でレッスンするのではなく、肩や股関節の可動域を広げたり体幹を鍛えたりします。そうすれば、初心者でもそこそこボールが打てるようになって、ゴルフのハードルは下がり上達も早くなるんです。

 これを実現するためには、コーチ自身が相当研修を積む必要があります。コーチだけでなく、スマホアプリなどでもお客様をサポートしていくのが現実的だとは思いますが、まだ未着手です。

 先日あるお客様がスクールで「そろそろ卒業かな」という話をされていたのですが、ゴルフスクールは卒業するのではなく、かかりつけ医のように長く付き合う関係になれればよいと考えています。

 確かにそれでは、お客様にその分のお金を負担させることになるという指摘も受けますが、こう考えてほしいんです。

 1カ月当たり1ラウンド分程度の料金で、「スイングがおかしくなっていますよ」「肘が痛いのならこう修正しましょう」といったゴルフに関する技術や体の状態について、お客様とコーチが常に話をしていられる状態にしておく。

 お客様に対してコーチという“ゴルフライフ・アドバイザー”が存在する。ゴルファーにとってこのような状況があれば、ゴルフを長く楽しめ上達もでき、健康管理もできるようになる、と思っているんです。先日、ゴルフ場で91歳の方が18ホール回っていらっしゃったのに出会いました。素晴らしいことです。

 そのために、コーチの教育方法を確立し、お客様へのコーチングもしっかりとした仕組みをつくります。こうしてお客様と長い付き合いができるようになれば、受講者のその時々の人数で収入が増減するという不安定な収入のコーチも、より安定した職業になります。

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