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顧客にとって、目の前の担当者が熟練者かそうでないかは関係ない。研修中のスタッフの名札に若葉マークを貼るような会社は内部事情を優先させてしまっている

 先にお伝えしておくと、「研修期間中なので、サービスが十分ではありません。その分、お値引きさせていただきます」としているのならまだ納得できます。しかし、そうした話を聞いたことはありません。新人スタッフとそうでないスタッフで同じ料金をお客さまからいただくのに、どうしてお客さまに気を使わせるのでしょうか。

 レストランの方と話をする機会があったので、「なぜ、研修中のプレートを付けているのですか」と聞いたところ、「周りにいるスタッフに新人で研修中ということが分かるようにしているのです」と答えが返ってきました。それならば自社のスタッフだけに意味が分かるリボンなりマークなりを付ければよいのだと思います。

詳細な顧客アンケートがダメな理由

 会社が伸びるか伸びないか、この2つを分ける大きなポイントを端的に言えば、お客さま志向、外部志向かどうかです。だから私が経営者の方たちによくお伝えするのが、「一番厳しいお客さまの目になって、自社がやっていることを見てください」というお話です。内部事情を優先させようとしてしまうことはどこの会社でもありがちだと思います。しかし内部事情を実際に優先させている会社で、業績を伸ばしているケースを見たことはありません。

 さらにお話ししておくと、くどいアンケートを取る会社がありますね。あれもお客さまにとっては苦痛であり、迷惑ですね。アンケートはお客さまにしか分からないこと、つまりお客さまの感想や満足の程度を教えていただくためのものであって、微に入り細に入り何でもお客さまに聞こうという姿勢は良くないのです。

(この記事は書籍『どんなときでも稼ぐ社長がやっている経営習慣36』の内容を基に構成しました)

 経営コンサルタントの小宮一慶氏が20年以上にわたり、多くの大企業や中堅・中小企業の経営者や経営を見た経験から導いた経営の原理原則を1冊の本にまとめました。

 新型コロナの感染拡大で経営環境は大きく変わりましたが、経営の本質や原理原則は変わりません。それどころか、その重要度は今まで以上に増しています。

 経営の原則となる考え方をすぐに実践できるよう、分かりやすく解説しています。現在の自社のレベルを確認できるチェックリスト付きです。ご自身の経営を振り返り、明日に生かすきっかけとしてご活用ください。

●こんな経営習慣を紹介しています
・数値目標より先に、お客さまが望むことの目標を設定する(経営習慣06)
・会社の土台を朝礼で鍛える(経営習慣09)
・自分の関心を世間の関心に合わせる(経営習慣18)
・社員が同じことをしても許せるか(経営習慣28)
・長所を生かせ、短所にこだわるな(経営習慣34)

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