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 新型コロナも何のその。外出自粛の一方で、オンラインの世界は盛況だ。

 SNS時代はPRの時代。そんな認識を共有するPR業界の大御所と新鋭のコンサルタント2人が、これからのPRのあるべき姿について、持論と本音を語り合う。

 大御所の野呂エイシロウさんは、バブル世代で直感型。新鋭の笹木郁乃さんは、就職氷河期世代で理論派。キャラクターは正反対の2人だが、「SNS時代のPR」を、それぞれの方法で真剣に模索している。こんな時期だからこそ、2人の明るいPR談義に耳を傾けていただきたい。

野呂:笹木さん、あなたの奥歯が気になるな。どうせ見えないと思っているんだろうけど、銀歯じゃない? 自由診療で治しなよ。

笹木:すみません(苦笑)、速攻で治します。野呂さんは、見た目にうるさいんですよね。

野呂:だって、笹木さんはもう立派な社長なんだから。社員も10人くらいいるんでしょ。オレも昔、某ファッション誌の編集長に一喝されて、銀歯20本くらい、二百数十万円かけて治したよ。請求書を見たときはクラッときたけど、その後、会社の売り上げは倍増したからね。見た目は大事。

笹木:はい(苦笑)。今のバブリーなノリにドン引きした人もいそうですが、こう見えて野呂さんはとても真面目で、PR業界では知る人ぞ知る重鎮です。

 “弟子”の私からフォローしますと、野呂さんは愛知工業大学卒業後、雑誌編集者を経て「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。「特命リサーチ200X」「ザ!鉄腕!DASH!!」など、数々の人気番組で構成を手がけてきました。

野呂:今も放送作家の仕事はしているよ。3分の1は放送作家。

笹木:野呂さんみたいにテレビ業界で本業があると、PRコンサルタントとして強いですよね。PRで売りこむ相手の事情が分かっているわけですから。

 そんな野呂さんが、PRの仕事を始めたのは、情報番組にネタを売りこみにきた広報の企画書を添削したのがきっかけ、ですよね。その後、マーケティング支援にも手を広げ、国内の大手通信会社や自動車会社、海外のラグジュアリーブランドなど、そうそうたる会社をクライアントとするに至ります。

野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年生まれ。愛知工業大学在学中に、三菱電機などがつくった学生企画集団「メルブレインズ」に参画し、学生向けの家電などを企画。大学卒業後、雑誌編集者を経て、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家デビュー。30歳から「戦略的PRコンサルタント」をとしての活動を始め、マッチドットコム、ビズリーチ、ソフトバンクなど約150社の広報戦略に関わる。『「話のおもしろい人」の法則』(アスコム)など著書多数(写真:栗原克己)