ところが「ありがとう」とはいえないという人がいます。部下が仕事に意欲的に取り組まず、失敗ばかりしているというのです。

 そのような部下に対しても「ありがとう」と声をかけるためには、部下に対する見方を根本的に変える必要があります。

 上司は、部下に何か問題が起こればその問題に注目し、それを除去しようとします。そこで、行動を改めさせようと叱責します。しかし、問題というのはいわば闇のようなものですから、物のように取り除くことはできないのです。

 それではどうすればいいのか。光を当てればいいのです。光を当てれば闇は消えます。勇気づけは光を当てることです。

出社してくれたことに感謝する

 これは部下の行動ではなくその存在に注目し、存在を承認するということです。

 具体的には、出社してきた部下に「今日もありがとう」ということです。仕事に自信が持てず、「今日は出社したくない」と思っても、一大決心をして部下が出社してくればありがたいことです。

 実際、出社して仕事をしてくれれば助かります。そのことを当たり前のことだとは思わず、きちんと言葉で伝えましょう。退社する時は「今日も一日ありがとう」というのです。

 このような対応をされた部下は「今はまだまだ力が足りないけれど、頑張ろう」という気持ちになるはずです。

とりわけ出社時と退社時、部下への声がけが大切だ(写真=PIXTA)
とりわけ出社時と退社時、部下への声がけが大切だ(写真=PIXTA)

(この記事は、「日経トップリーダー」2018年7月号の記事を基に構成しました)

『嫌われる勇気』の岸見先生と一緒に悩みを解消
「岸見一郎先生 対話会」を12月に開催します

日経トップリーダーの人気連載「リーダーシップの誤解」の著者である、哲学者の岸見一郎先生。ベストセラー書籍『嫌われる勇気』は国内外でたくさんの人に読み継がれています。今回、岸見先生と企業経営者による対話会を開くことになりました。経営者の悩みに、岸見先生が道筋を示します。3時間以上の濃密な対話を通じ、あなた自身のリーダーシップの形を見つけてください。

こんなことを岸見先生と相談できます。

・新入社員が入ってきました。言われたこと以上のことをやろうとしません。「おれが若い頃は……」とつい思ってしまいます。どんなふうに教育したら自ら動くようになるでしょうか。

・若手社員を一度きつく叱ったら、それ以来プイと横を向いて仕事をしなくなりました。

・父から経営を引き継いで、つい先日、社長に就任しました。父は「好きなようにやれ」と言いますが、リーダーとして社員にどう接していけばよいでしょうか。古参幹部の冷ややかな視線も感じます。

・社員に覇気がなく、沈滞ムードです。経営環境が厳しく給料は引き上げられないのですが、社員のモチベーションアップを図る方法はありますか?

皆様のご参加をお待ちしています。

<開催日時・会場>
日時 2019年 12月 9日(月)13:00~17:30 (開場 12:30)
会場 富士ソフトアキバプラザ(東京・秋葉原)
住所 東京都千代田区神田練塀町3

詳細は下記のリンクからご覧ください。
https://www.nikkeibp.co.jp/seminar/atcl/vs/nv_191209/index.html

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